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2006年01月12日

市民フォーラム’06は解散

 4月に開催される市長選に向け、候補者擁立を目指していた市民フォーラム’06でしたが、残念ながら、本日をもって解散することになりました。
 フォーラムでは市長選候補者昨年末を〆切とし、候補者の公募を行ないました。結果として、応募者は二人いました。候補者選考委員会により、書類審査と、面接を経て最終的な結論を下されたのですが、結果は「該当者なし」。選考委員会は多数決ではなく、合議制だったので、最後まで一者に絞り込めるように調整を図ったようですが、結果的に歩み寄れず、今日の報告に至りました。

 私は「勝つ」ということを一番で考えたいと思い、フォーラムに参加してきました。都内他市の事例を見ても、いわゆる保守勢力に対抗する立場の面々が統一候補を擁立して戦った自治体では「勝利」しています。ある意味で対抗勢力が思想信条を超えたギリギリのところで、候補者と政策協定をかわしながら、選挙では同一戦線を組むことでいい結果を得ています。多摩市でもそのことを目指して市民フォーラム’06が結成されました。(・・・と私は思っていました。集まってきている人の志は「共闘」することにあると思っていました。)
 毎回開催されるフォーラムは出入り自由で色々な方が参加できる開かれた会議の場で、多様な面々が集合しました。ここのところ数回は政策を取り纏めるための議論をしており、かなり活発な意見交換もでき、有意義な会議を重ねていたと思います。
 しかしながら、結果だけを見ると、今までの努力が報われなかった(と思いたくないけれど)ことになります。

 「公募」というのはリスクが大きい手法です。最終的にまとまらずという結果も想定内のことで、それは他市の事例からもわかります。公募制とは、「出たい人」から選定する仕組みだと思います。そこで、公募者の中に該当する人がいなければ、次は「出したい人」の中から候補者選定をすることが望ましいと考えていました。つまり、フォーラムのメンバーがそれぞれ「この人」と思える意中の人を出し合い、その中から最終的に候補者一人を決定するやり方です。
 もともとフォーラムには「公募で決定しなければならない。」というキマリがあったわけではありません。そのことを考えると尚更のこと、私自身は「出したい人」の中から選出する方法に挑戦すべきだと考えました。既に候補者擁立に向けた体制づくりなども出遅れていると評されており、すでに再出馬を表明している現職の立場から比べれば大幅な遅れをとっているとも言えるでしょう。でもそこは「市民フォーラム’06」という新しい市長選への取組み体制を作れれば、いくらでも挽回できると考えてきました。だからこそ、フォーラムにおいてもう少し努力してみたいと主張しました。出遅れているのは今に始まったことではなく、あと2週間ほど遅れたことがそれほど大きな問題にはならないと感じたからです。
 

 ところが、既に候補者選考委員会でもあったフォーラムの世話人会では「1月中旬を目途に公募制により候補者を決定すること」になっていた(以前のフォーラムの中で確認されてきた)ので、そうできなかった限りでは「解散」という選択肢しかないと判断したようでした。
 「候補者を絞り込むことができなかったから即解散」というあまりにもあっさりとした展開に私は憤りを感じました。どうしても「勝つ」ことを目標とし、現実的に考えるとフォーラムそのものを維持する必要があるのです。フォーラムに参加していた人がそれぞれの立場でバラバラに、別々に候補者を擁立して戦うと、それだけ力は分散します。そのことは予測の範囲です。


 そして何よりも、立場を乗り越えて共闘し、フォーラムとして候補者を擁立することが市民の期待になっていることを私は(私に寄せられる声だけかもしれませんが)感じてきました。そのことを考えると、公募で決められなかったから、シャンシャンで終わってしまうことはとても悔しいのです。

 しかし、今日のフォーラムに集まった人の大半は「解散もやむを得ない」という意見でした。とはいえ、とても気になった発言があります。「もちろん公募してきたお二方の立候補を制限することはありえないことで、もしかするとフォーラムの推薦は得なくても立候補する人もいるかもしれません。そのとき、「応援したい」と思っている選考委員会のメンバーがいたら、フォーラムという枠組やつながりが煩わしく、邪魔な存在になりますよね。」
 私自身は最後まで「市民フォーラム’06」にこだわりたいと考えています。立場を超えて、共闘体制を組んで市長選を勝つために戦いたいと思っています。でも、そのように考えている人ばかりではないのでしょう。フォーラムの存在価値をどう捉えているのか、どのように考えているのか・・・その考え方の違いが今日は明らかになったように感じました。「共闘して勝つ」ことを目標しようという意欲を表明した人は多くありませんでした。

 色々な思惑が交錯しあった今日の会議は、最後の最後まで緊張感がありました。それでも、最終的には和やかな雰囲気にもなり終了できたことはよかったと言えるでしょう。だけどやっぱり帰り道は暗澹たる気分で一杯でした。

 フォーラムを解散して、もう一度「この指止まれ」方式で、新たな市長選への取組みをしていくことになるのでしょうか。「市民フォーラム’06」という看板だけを架け替え、フォーラムのゆるやかなまとまりが存続されながら進むのでしょうか。その他にもいくつかの道が考えられると思います。その中で生活者ネットワーク(私)がどうしていくのかも問われるでしょう。今週の土曜日に今後についての話合いが開催される予定です。
 

投稿者 hisaka : 2006年01月12日

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