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2005年11月22日

えっ・・何のため?

 「多摩市安全安心まちづくり推進協議会」の傍聴に行きました。知人より「ぜひ、一度、傍聴に行ってみて欲しい。」と言われたこともあり、初めて傍聴をしました。

 この協議会は要綱にて設置されています。ちなみに設置目的は下記のようになっています。

第1条 市民、市、防犯関連団体等が一体となって犯罪の防止に努め、安全で安心して生活できるまちづくりを推進するため、多摩市安全安心まちづくり協議会(以下「推進協議会」という。)を設置する。

 そして第2条では推進協議会で行なうことについては

①安全で安心しえて生活できるまちづくりの推進に関わる方策、事項などに関すること ②その他安全で安心して生活できるまちづくりの推進に関すること。

 以上のようになっています。

 前回までの推進協議会において、委員長の意向も強く反映されているようでしたが、「協議会として何らかの提言をしたい」という考えのもとで話合いが進んできた模様です。その中で「安全安心まちづくり条例の制定」というのを提言に盛り込んでいこうということで決定していたようです。今日は、その決定に基づいて、具体的な条例の内容に踏み込んだ話合いをする予定だったのか、事務局では各自治体の「生活安全条例」を、a基本的な条例、bやや実践的な条例、c実践的と考えられる条例とに分類した参考資料が用意されていました。

 ところが、協議会がスタートしてからしばらくして、「この協議会では防犯に関わるネットワークづくりをどうしていくのかを考えていこうとしているのに、それが即条例化にはつながらないのではないか。」という意見が出され、「まず大事なことは、協議会に集まっている関係者たちがそれぞれに抱えている課題を出し合いながら、その課題解決のために、お互いの連携協力の具体的方策を話し合うべきではないか」という提案がありました。
 しかしながら、「条例化の必要性を認める」という点は前回の協議で既に合意している事項なので、議論を蒸し返すことは望ましくないという結論に落ちつきました。とはいえ、前回の協議を受けて、市民団体から「多摩市安全安心まちづくり推進協議会の進め方に関する要望書」が提出されていて、その要望書でも条例化についてはもっと慎重に検討するべきだという申し入れがされていました。(要望書に対しては、今までの協議会での議論の経過を踏まえて会長が回答をすることになりました。要望事項については、市民の意見のひとつとして聞き置いておくという取扱いになったと思います。)

 さて、協議会開催も4回目。しかしながら、とても困ったことに、・・・「この協議会の位置づけが不明確で、ここで議論したことなどがどのように市政に生かされるのかよくわからない。」という声がメンバーからあがりました。メンバー全体で、委員長も含めて、そのことについては同じ思いを持っているように感じました。メンバーには部長が2名入っていますが、発言をほとんどしない彼らは、行政が声をかけて集めたメンバーたちが漏らした本音にどのように耳を傾けているのかなと思いました。
 市長の諮問機関でもなく、何の権限も持っていないのが当該「推進協議会」です。何の思惑があり、推進協議会を設置したのか、私も再度確認をしてみる必要があると感じています。せっかく時間をさいて出席されているメンバーの皆さんです。ここでの議論を有意義なものにしていかなければ意味がありません。ポジションが不明確なまま「提言でもあげていこうか・・・・」としているようですが、その提言の取扱いが保障されているわけではありません。
 この推進協議会の位置づけについては議会でも見過ごされていた気がします。地域の安全への関心が高まるなか推進協議会について議会で議論がなされてこなかったことの罪深さを感じた次第です。

投稿者 hisaka : 2005年11月22日

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