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2005年11月16日

湖南市への視察

 日帰りで滋賀県の湖南市に行ってきました。視察内容は「発達支援室について」です。12月の一般質問に向けて、ぜひ、参考にしたいと考えた事例でした。発達障害を持つ乳幼児から成人までを一貫した支援をする事例として、国のモデル地域にもなっているところです。
 東京都で特別支援教育のモデル地域になっているあきる野市、北区からはすでに視察があり、来月には調布市からも視察団が訪れるとのことです。自治体議会からの視察よりも校長会からの視察が多いそうです。つまり全国的にもとても注目されている先進地だと言うことです。
 盛りだくさんの話を伺ってきたのですが、大事なことは福祉(健康、障害福祉、児童)と教育、それから労働分野までの連携をどのように行っていくのかです。言うまでもなく、これらの分野はすべて縦割り行政の弊害にさらされているのが現状です。その縦割り壁を無理矢理崩すのではなく、発達支援室はすべての分野を把握し、発達障害者一人ひとりにあった支援方策をコーディネートしていきます。つまり交通整理の役割を果たす機能です。一人ひとりのケースに応じて、必要な担当部署を集めてケース会議を開き、課題を共有しながら支援をしていく仕組みです。
 湖南市(旧甲西町)の場合には教職免許を持つ人を福祉部門のなかに配置し、「発達支援室」を設けたと言うのが特徴になっています。福祉の専門家が教育委員会の中に入りこんでいくよりも、教育界(先生たちの世界)をわかっている人材が福祉部門へ入りこむ方がやりやすいと言っていました。それくらい教育界というのは人的模様も含めて複雑なんだそうです。教育界から福祉部門に人を招致したことにより、「発達障害室」からの教育界に向けての発信を非常にスムーズに届けることができた・・・これが成功の秘訣です。

 さて、発達障害については、ようやく社会的にも認知されてきました。アメリカなどでは既に多くの研究も進んでいます。日本ではやっと発達障害者支援法が制定、施行されました。来月には「日本発達障害ネットワーク」が設立される予定です。俄仕立てながら、この間、発達障害について学んでいますが、今、日本社会で子どもが加害者になっている様々な事件があります。その加害者たちが発達障害を持っていたのではないかなどと言われています。そのことによって、発達障害者に対する世間の視線は冷たかったり、厳しくなったりしています。でも、実はアインシュタインやエジソンも発達障害者だったと言われているのです。発達障害に対する理解を広め、周りの適切なサポートをすることが求められます。
 発達障害児への教育的支援を強化するための「特別支援教育」の導入ですが、それに向けて多摩市の体制をどのように構築していくのかが大きな課題です。まずは、発達障害に対する周囲の正しい理解も必要になるでしょう。視察から得たヒントを生かして、一般質問づくりをしたいと思っています。

投稿者 hisaka : 2005年11月16日

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