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2005年09月20日

決算特別委員会 第1分科会

決算委員会分科会の1日目です。今年は分科会ごとに集中審査事業を決めて、各々が意見などを述べる形式です。今日の第1分科会では庁舎管理経費、行財政再構築プラン推進事業、コミュニティセンター管理運営事業、多摩商工会議所補助事業、災害対策経費の5つが集中審査事業でした。委員は各人持ち時間が23分しかありません。集中審査事業とあとは各々が‘ちょっと気になる’事業に対し発言をしなければならないので、かなり時間不足で消化不良のまま終わってしまった・・・・というのが感想でした。(ちなみに、私は第1分科会のメンバーでした。)
 昨年に引き続きの分科会方式では(私たちの会派では分科会方式には賛成していないのですが)、委員どうしの意見交換も視野に入れていたわけですが、正直、委員どうし(議員どうし)で議論ができるまでには、時間がかかりそうです。座長の「意見交換はありませんか。」には、私も含めて応える人が一人もいませんでした。

 さて、私は集中審査事業ではぜひ、「パルテノン多摩」の問題を入れてもらいたいと考えていたのですが、残念ながら分科会委員どうしの事前の話し合いの中で採用されませんでした。しかし、パルテノン多摩は来年4月から指定管理者制度に移行します。よりよい公共施設の運営を目指し、民間活力を導入するという考え方に基づいて運用されるのが指定管理者制度で、基本的には指定管理者は公募による選定が行われることが望ましいとされています。しかしながら、市長が特別に認める場合には公募しなくても指定管理者を選ぶことができ、パルテノン多摩は現在、多摩市が管理運営を委託している「財団法人多摩市文化振興財団」をそのまま指定管理者にすることが決定しています。

 しかしながら、財団は自主財源の確保に努めているとしているけれど、肝心の事業収入をたどってみると2002年度は86,114千円、2003年度106,761千円、2004年度63,985千円。おまけに昨年度については予算では87,664千円と見積もっているにも関わらず、決算額では約2,500千万円減額してしまったという、惨憺たる状況。この成績では私はパルテノン多摩を今のまま財団に任せることにはとても不安です。
 それにパルテノン多摩の友の会にしてみても、2003年度3702人をピークに、2004年度3367人、2005年度3194人と会員数も減少している模様です。

 これだけで判断することはできない・・・もちろんそうだと思います。もともと文化行政の分野に対し、どこまで採算性を求められるのか・・・・という問題は考える必要があるからです。しかしながら、文化行政の中核を担うとして位置付けられてきたパルテノン多摩がどれだけ市民文化に貢献してきたのかといえば、私自身は「疑問」といわざるを得ません。そもそも多摩市が文化行政をどのように進めてきたのか、そして進めていこうとしているのかについても不十分にしか説明できず、誰も(おそらく市職員においても)理解していないのではないかと思えます。

 それにしても、ここでさらに深刻なのはやはり施設の維持管理の問題。パルテノン多摩の長期修繕計画についてその達成率は23%ということ。つまり施設の大部分に適切な維持補修がなされていないことも明らかになりました。
 指定管理者は施設の管理運営を一手に引き受けることになりますし、使用料の改定を受け来年からは130,000千円が指定管理者の収入になるわけですが、これが施設の維持管理に充当されていくのかと言えば、正直、自主財源の確保も満足できていない財団の状況を見ると、そう多くは望めないのが現実だと思います。

 部長は「採算性の低い事業の整理をしていく。」という話をしていましたが、先ほども書いたとおり、パルテノン多摩は多摩市の文化行政の中核を担うべきところです。つまり採算性が低かったとしても、文化行政の推進という使命の中で市民に大きく還元するべき部分だってあるわけです。それに、「採算性とれない事業」が少なくないという認識のようですが、「その事業は本当に採算性が取れない事業だったのか」という部分も疑問です。例えばPRのしかた一つとっても、その手法が不十分であれば、採算性とれるものも採算性取れなくなってしまうことだってあるわけです。それらの検証をしているのかも疑問です。

 財団は指定管理者に移行するための準備を着実に進めているとのことですが、一体、どう着実に進めてきて、自己財源の確保をしてきたのか・・・・誰が見ても数字の結果を残せているわけではありません。そこをどう評価したのか、財団を指定管理者として特にふさわしいと認めた根拠が十分に示されないにも関わらず、そして議会からも再三にわたり、パルテノン多摩は問題視されていて、それにも十分応えていないにも関わらず、「財団」が来年から晴れて指定管理者になることについて、市民は本当に納得できるのだろうかと思います。
 自主財源の確保が今後は順調に伸びていくだろうと期待するだけではなく、きちんと見込めているからこそ、財団を指定管理者にするわけです。他の事業者などと競争させずに財団を指定管理者に指定した市長の責任が問われると思っています。
 
 「垣根の高い文化施設」という市民からの批判をいち早く払拭してもらいたいものです。

投稿者 hisaka : 2005年09月20日

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