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2005年09月13日

陳情を採択しても・・・

 昨年の議会で採択されていた百草団地にコミュニティ施設の整備を求める陳情が、ほぼ前回と同じ文書内容にて今議会にも提出されていました。
 内容は、百草団地内にある百草会館(集会所)を改装して欲しいというものです。市内の各地域にはコミュニティセンターがあり、高齢者の憩いの場として利用されているように、高齢化が最も進んでいる百草団地にもくつろぎのスペースがあり、交流できる場所をつくってもらいたいという要望です。

 今日の委員会では、陳情が採択されてから今日までの間、一体どんな取り組みをしてきたのかを問う質疑がありましたが、結局は「ほとんど何の取り組みもしていなかった。」ことが明らかになりました。それに対しては「いささか不満」との意見がありましたが、私もそれには同感でした。あわせて陳情採択の意味とその効力についても、改めて考えさせられた次第です。結果的に、委員会では「趣旨採択」になり、私も同様の結論を出しました。
 「趣旨採択」というのは不透明さが残る結論とも言えますが、今回の陳情では市内の他のコミュニティセンター施設などと同様に「お風呂」の設置も含まれているようだったので、その部分についてはどうしても後押しできないと感じました。「採択」と言いきるには難しいのが実情です。

 しかしながら、やはり百草団地にはその地域の特殊性を考慮して、今後どのようにこの地域に活力を持たせるのかを考える必要があるでしょう。第4次総合計画では百草団地は和田に計画されているコミュニティセンター(コミセン)と同じコミュニティエリアに属するとしてあるわけですが、コミセンには駐車場を設置しない方針からもわかるように、基本的には「徒歩圏」が一つの目安になり、それに基づいたエリアが設定してあります。でも、百草団地まで含めた現在のコミュニティエリアの考え方は変更を迫られていると感じます。なぜならば、仮に和田にコミセンが完成したとしても、百草団地在住の高齢者がわざわざ徒歩で通うとは考えにくいからです。高齢者になると行動範囲が次第に狭まってきますし、百草団地の立地条件を考えても、これを見直す必要性は高いでしょう。 このコミュニティエリアを見直すかどうかで、行政が描く今後の高齢化社会像が見えてくる感じがしますし、それへの対応姿勢が明らかになる気がしています。

 陳情では施設の維持管理などへの住民の協力は惜しまないことも述べてありましたが、高齢者が多いことを考えれば、どのような負担を求めていけるのかは熟慮すべきだと思っています。百草団地は賃貸住宅ですので、さらに維持管理に住民の金銭的な負担を求められるのかということも含めて、考えていかなければなりません。そう簡単に、住民の求めているコミュニティ施設ができるのかどうかはわからないものの、施設的には少しの改修など、工夫を施すことで住民要望に合致する部分を見つけられる可能はあるでしょう。まずは、既に採択された陳情への取組みが不充分だったことを踏まえて、要望者である住民の方々と地域の将来を見据えながら早急に協議をスタートすべきです。
 
 それにしても、今回のように、またまた同じ陳情の提出という事態が起きぬよう議会の「監視」機能を高めなければと思っています。

投稿者 hisaka : 2005年09月13日

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