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2005年09月09日

「選択の時代」だから

 予定通り、一般会計の補正予算には修正案を提出しました。もちろん、予想通り否決されました(修正案に賛成したのは7名)。最終的に補正予算は賛成多数(賛成は15反対が10)で可決したので、来年度から乞田川に人道橋の設置工事が始まるでしょう。

 さて、修正案の提案説明の後、質疑を受けました。「地元の意見を聞いたのか。」、また、あらかじめ都議会議員と多摩センター地域の自治会の会長名で提出されていた要望書も配布されていたので、「実際に自治会の人に話を聞いたのか」ということ、反対の根拠を明確にしてもらいたいと尋ねられました。私たちが反対した根拠は「もっと、先にやらなければならないことがたくさんある。」と考えるところにありました。しかし質問者からは「「それでは全く根拠が明確にはなっていない。」と言われましたが、私自身は逆に言えば工事をせねばならない明確な根拠は何かわからない・・・・地元の要望だけで工事を決定したのであれば、それこそ問題があると感じます。市民からの要望、地域からの要望は拾い上げればきりがなく、本当にたくさんの多様な要望があります。でもそれに、一つ一つ優先順位をつけながら、限られた予算を配分していかなければなりません。

 ちなみに、地域の人に不十分と思われるかもしれませんが、意見を聞きましたが、「あったら便利は便利。駅から蕎麦屋に行くのが便利になるなあ。」とか、「別になくてもいい。」という意見、それから自治会の会長名で要望書が上がっていたものの、肝心な自治会に加入をしている人に聞いたところ「そんな話知らなかったけれど。」というものもありました。
 私たちの会派では、この橋の必要性にどんな優先順位をつけてきたのか、そのためにどんな議論を積み重ねてきたのか、例えば公共事業の事前評価の仕組みを取り入れている自治体もありますが、組織全体でどのような整理をして、今回の予算計上に至ったのかについて納得できる説明がなかったこともありますし、全市的に考えてどう判断していくのかを議論して、今回のような結論に至りました。

 修正案の提案説明の一部でも述べましたが、「例え、地元の要望、地域の要望があったとしても、それにも優先させねばならない重要な課題解決を先送りにしていないのか、そして新たな公共施設を多摩市として保持することで、これらの課題がますます先送りにされる危惧がないのか真剣に考えたいものです。「選択の時代」です。誰しもの願い、夢を叶えたい、市民の期待に応えたいというのは市長も議員一人一人もみな同じです。でも時には辛くて、厳しい選択をせまられることもあるのです。」
 要望に応えられないことには残念ですが、もっとしなければならないことがあると感じています。特に小中学校の校舎の維持補修に至っては、本当に満足な手入れが出来ていない現状があります。そして「錆びたサッカーゴールを買うにも躊躇してしまう」という話も聞こえてきます。それほどに各学校に配分される経費には余裕がないのです。その他にも様々な状況を考える時、やはり、補正予算で計上するほどに重要で、緊急性のある事業だとはどうしても判断できません。
 市長はその状況をどう捉え、どうしていくべきと考えているのだろうか・・・・。ますます、私にはわからなくなったのです。

投稿者 hisaka : 2005年09月09日

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