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2005年08月12日

役人天国?!

 乞田川の落合橋と上ノ根橋の間に新設が予定されている人道橋(「小橋」と言うらしい。)について、その補助金の流れなどを確認するために都議の原田恭子とともに都庁でのヒアリングをしました。

 すでに約束の時間前から控え室の外で待機をしており、さっそく説明が始まりました。都議会議員の場合には職員も全議員の名前と顔を一致させるのが困難との理由から、とりあえずは議員バッチをつけている人には「先生」と言えば間違いなしとされていると聞いたことがありますが、「ですからね、先生。」「・・・といいますか、先生・・・。」「先生のおっしゃることも・・・・・」「いやいやいや・・・先生。」・・・と「先生攻撃」での説明には、一緒に話を聞いていて居心地が悪く感じました。そして、こういうコミュニティにおかれているから、議員は「先生」化させられるんだとも思いました。
 しかし10も20も年上、なおかつ私にしてみれば両親とほとんど年の変わらない職員から「先生・・・」と呼ばれると、むしろ「ぞーっ」としてしまうのですが・・・・。

 さて、肝心の小橋の件について。結局、補助金については「交通安全施設等整備事業」というものに該当するそうですが、実はこれは国からの補助らしく「1億円以上」の事業に摘要されるとか。明神橋は総額約2億3千万円の工事になっているので、この補助を利用することができることがわかりました。しかしながら小橋は総額約7千万円ほど。つまり国からの補助ではなく東京都の補助金で賄われるらしいことがわかりました。
 市長の説明では総額で約3億1千万円の工事になり、その中で市が負担するのは約20%の6千万円だとのことでした。私の理解と、私がその場で確認したことは「明神橋のほうも、小橋のほうもそれぞれに市の負担が20%ほどですね・・・。」ということで、「小橋のほうの市の負担は約1500万円」になると聞いていたわけですが、説明を受けた東京都の土木費補助規程だけをみるならば、経費に対する補助率は多くても「2分の1以内」でしかありません。つまりこの考え方でいくと、市の負担が約20%で済んでしまうという説明には一致しないわけです。これがまず第1点の疑問。

 そして、二つ目。これは全く腹立たしいことですが、実は説明してくれた担当の方は数日前の電話によるヒアリングでは「多摩市から、そのような橋の要望は出ていません。」と言っていたにも関わらず、今日は「5か6月の概算要求で要望があがっていました。」と説明が全く違っていたわけです。数日前にご自身がおっしゃったことを忘れてしまったのかわかりませんが、今日の説明では「多摩市さんから明神橋のことについては口頭による相談があり、小橋については書面で出されていた。」と言っていました。
 「騙された。」とか「嘘をつかれた。」とは思いたくないので、勘違いされたらしい・・・・と考えることにしましたが、何とも言い難い状況に直面したなと感じました。

 「役人天国」という言葉がありますが、そのことをちょっとだけ体験した感じです。「言わなきゃわからない」ということなんでしょうか。「そこまで聞かれないだろう」ということなんでしょうか。

 こちらとしても、「小橋」建設の問題があまりにも唐突過ぎるので、一応、納得いくまで調査しようと考えています。夕刻に再度東京都の担当者に連絡し「多摩市から東京都に出したと言う書面をFAXしてほしい」とお願いをしたところ、「いやあ・・・・私だけで判断できないので○○(部下)に聞いてみて連絡します。」という返答が・・・・。もちろんこれにもビックリしました。どうして上司が自分の一存では決められないわけ?部下に相談するわけ?・・・・不思議なことだらけ。

 そして、すぐに相談をし終えるのかと思って待っていても、全くの音沙汰がなく、結局は2時間ほどたってからメールが送られてきたのでした。私たちが見たいのは、きちんと書類提出の受付日などの判子が押されている書類なのに、メールの添付で送られてきたものには「日付」がどこにも入っていない不自然さがあり、なおかつメモまでつけてあったのですが、そのメモの内容にも疑問の点があり。
 なぜなら、「東京都も無駄遣いを減らすためには市の要望が適正なものかどうかを判断するために現地視察も必要ではないですか?」と私が聞いた時、「そうは言っても、全部を見ることなんてほとんどできないですし、多くは写真判定ですよ。」と説明をしていました。にも関わらず、そのメモには現地を視察したと言うことが書かれていたのです。現場を見たのか見ないのかと聞いた時には「見ていない。」と言っていたのに、なあ・・・と思います。

 この「小橋」をめぐってはひとくせふたくせありそうだと感じています。市長が来年度予算に関わる概算要求で「小橋」だけを東京都にお願いをしたと言うのも不自然です。なぜなら、もっと優先すべき歩道橋の整備はあると感じるからです。市長はこのあいだの意見交換の時には「当初予算では向ノ岡橋の調査費も計上していますし、そちらの方を優先しているとご理解ください。」と言っていましたが・・・。でも今回の小橋はすでに完成まで見通しが立っている様子で、力の入れようでは差があるように感じます。

 要するに「住民要望だから橋を作ります・・・・」とすんなりと住民要望を受け入れてしまった市長の姿勢に疑問です。市長に寄せられる住民要望はたくさんあるばずです。その中から何を基準にして、どのような観点から優先順位をつけていくのか・・・市長にはとりわけ「小橋」について説明を求めていきたいと思います。

投稿者 hisaka : 2005年08月12日

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