« 多摩市平和展 | メイン | 「全市的な視点」 »

2005年08月08日

障害者の自立は・・・

 予想通り、衆議院が解散してしまいました。9月議会前というのに・・・またもや選挙か・・・都議会議員選挙が終わって、やっと落ち着いたところなのに。

 今日は厚生産業常任委員会があって、午前中は第2次健康福祉推進プランの改定に向けての説明と質疑、そして午後からは総合福祉センター内の第2つくし作業所すぎなの友生活訓練所、そして永山にあるつくし作業所の見学、あわせて社会福祉協議会の職員の方より説明や意見交換などもしました。

 障害者支援という課題は、今年度の当初予算が否決されたことに大いに関連する問題です。実際に現場を見て、もう一度、議会として考えていくことが必要だろうという問題提起もあり、市内の障害者関連の施設を順次、視察する方向です。今日は第1日目で、まずは渦中に置かれていたつくし作業所と第2つくし作業所の見学をしたのでした。
 昼下がりの施設はすぎなの友生活訓練所も含めて、とてもゆったりとここちよいペースで作業が行われていたような気がします。見知らぬ集団が突然に施設の見学と言うこともあり、もしかすると作業の邪魔をしてしまうのではないかと心配しましたが、作業をしている方々は平素と変わらず、指導員の指示に従いながら、コツコツと作業に取組んでいました。

 そういえば、衆議院が解散したので障害者自立支援法案も廃案になっていくのだと思いますが、「自立支援」って本当に難しい問題で、当事者を含め、現場で彼、彼女らを支えている人たちは本当に精一杯だなと感じます。今日も、そのことをまた一段と強く肌で感じた次第です。

 作業所で行われている作業には自主作業と受注作業があります。自主作業には陶芸品、紙漉き製品(今、とても忙しいそうです。丸いかたちの葉書が人気で、注文が殺到していて、作成が追いつかないぐらいとか)、そして公園の清掃なども行っています。そして受注作業と言うのは企業、事業者などからの軽作業の受託です。例えば今日、つくしさ業所では(紙)袋の取っ手をつける作業が行われていました。
 もちろん自主作業がどこまでできるのか、それによってどれほどの収入を獲得できるのかという面もありますが、やはり作業所では受注作業頼みの部分があると思います。しかし景気の低迷とともに受注が減少しているようです。特に企業は低賃金を求めて、海外の労働力を求めるようになっており、作業所は苦境にたたされているのです。

 障害者の自立が言われていて、自立を支えていくとはいうものの、作業所で働くみなさんの平均賃金は一人あたり月4~5千円が平均なのです。それに障害者年金が加わったとしても、それで十分に一人で自立して暮せるという状況には至らないのが現実です。だからこそ、親やまたは兄弟との同居に頼らざるをえないのです。もちろん委員会で見学をしたのが知的障害者の施設であることを前提に今日の活動報告を書いているので、障害者全般にこのことがあてはまるものではないと考えていますが、いずれにしても障害者の自立というのは一筋縄では解決できない問題です。

 見学から帰る車の中ではすっかり選挙のことが話題の中心で盛りあがっていました。私たちのくらしにとって大切な問題を見失わないような政治を進めていきたいものです。郵政の民営化だけが大問題ではないのです。

投稿者 hisaka : 2005年08月08日

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
/954