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2005年06月17日

議題にするかしないかで・・・・

 代表者会議がありました。定例会最終日に向けて開催される代表者会議では意見書の調整が主な議題です。意見書については、地方自治法第99条「議会は、当該普通地方公共団体の公益に関する事件につき意見書を国会又は関係行政庁に提出することができる。」と規定されています。
 多摩市議会では意見書提出は全会一致でというキマリがあるので一つの会派からでも反対があれば意見書の提出はできません。そこで事前の調整が必要です。基本的には代表者会議開催の2日前までに意見書案が提出されることになっています。提出された案をもとに会派ごとに見解を出し、代表者会議の中で調整をするのです。提案された案の文言どおりでは気に入らないから訂正をして欲しいなどなど、会派の意見をすりあわせるのです。できる限り歩み寄りながら意見書提出が出来るようにと話し合いをします。
 しかし全く違った見解どうしであれば文言の調整をしても無駄です。例えば今日も「小泉首相の靖国神社参拝中止を求める」という内容の意見書を提出したいとする案がありましたが、これについてはあっけなく「出す必要がない。」という意見が表明されたため、すぐさま‘ボツ’決定でした。

 ところで、今日はちょっとした議題がその他のところで話し合われました。議会選出の監査委員についてです。ここ20年間ほどは議会選出の監査委員は2年交代でした。これは議長、副議長などを始めとする議会人事の入替時期と同じと考えられてきたと言えます。すっかり慣例として定着していた感が否めません。
 しかしながら、今回の議会人事の一新の中でどうやら監査委員は交替せず、今のまま続投の様子です。そのことに疑問の声があがったわけです。先日の議会運営委員会の中で提示された問題でしたが、代表者会議の中で話し合うべきこととして整理されていました。そこで今日の代表者会議の議題になりかかったのです。
 ところが今日の代表者会議では「監査委員人事の件」を議題にするかどうかから話し合いがスタートしました。その結果「議題にすべきでない、する必要がない」という意見、「議題にすべき、してもいいと思う」という意見に分かれました。代表者会議は合議制です。見解の相違があれば「まとまらず」となり、議論を進めることができません。・・・なんと「監査委員人事の件」は議題にも上らずじまいでした。議題そのものが ’ボツ’になったのです。

 とは言え、少しだけ確認をしておきました。特に最も聞きたかったのは議長や副議長も基本的には4年間というのがその任期なのですが、慣例的に2年交代になっています。そこで、前議長や前副議長も「慣例による退任」をしたわけです。それと同様に基本的には4年が任期の監査委員です。つまり、今まで監査委員でも2年交代だったことを考えると、監査委員も辞表を提出しているはずです。そのときの理由が「慣例により」であれば、今回の続投についても「慣例踏襲」を強く求め、説明責任を求めたいと考えていました。ところが監査委員は「諸般の事情もしくは都合」というのが退任理由として辞表に記載される文言だそうです。要するにたてまえ的には慣例ではないと言えるでしょう。
 しかし、そうは言っても今までは明らかに「慣例」だったように思います。だからこそ私も「監査委員は2年交代」と思いこんでいました。
 でも、それはただの勘違いに過ぎません。法律にはどこにもそんなことは書いてなかったのです。つまり考えようによっては今回は法律に忠実に従っているとも言えるわけです。

 それににしても合議制という仕組みにおいて「議題にするかしないか」から議論をスタートすることには少々疑問です。今日の代表者会議ほど合議制の‘デメリット’を感じたことはありません。

投稿者 hisaka : 2005年06月17日

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