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2005年06月06日

多摩市の抱える「天下り先」

 官僚の天下り問題は指摘されながらも、大胆な改革は進んでいないのが実態です。今日の一般質問では多摩市にあり、市もしっかりと出資をしている「多摩市交通施設公社」のことが話題に上りました。ここは公共的団体にも関わらず、情報公開の仕組みを全く持っておらず、公開請求をしてもなしのつぶてだと言われています。議員がさまざまな機会を捉え、資料請求をしてもいつも不十分な情報しか提供されないのです。
 さて、今日明らかになったことは交通施設公社の役員報酬です。天下りの批判を回避するためなのか、役員体制についても隠れ蓑を用意されているようです。いつ変更したのか正確な時期はわかりませんが、つい先頃までは役員のトップ「理事長」が報酬をもらっていたわけですが、この5月1日現在では理事長は無報酬、その下になんと「専務理事」という役職ができ、専務理事が今までの「理事長」のように報酬をもらっているのです。
 その報酬ですが、議員が要求したデータでは昨年度実績で報酬と退職金合計で32,190千円と記載されていました。そこで質問では「一ヶ月ではどのくらいなのか?」を問いただしたのですが、非常に不誠実な対応ぶりで返答をしたために、傍聴席からも市民が怒りの声をあげる始末。行財政改革と言いながら、まずメスを入れるべきところがあるだろうとの議員の主張は当然のことで、役員の月額報酬が一体いくらなのかに注目が集まりました。なんと平成16年3月では月額1,285千円(これは「理事長」報酬でしたが、今年5月では専務理事の報酬としては月額1,088千円ということです。
 「市長よりも高い報酬!!!」…思わず議場が静まりかえった気がしました。現在のところ交通公社では専務理事他3名の理事が常勤です。今まで常勤だった理事長は非常勤になり無報酬へ。ちなみに他3名の理事のうち一名は多摩市からの派遣で、もう一名は都市機構からの派遣です、残りの一名は前職が都市機構。もちろんのこと、今までの理事長、そして専務理事ともに前職は旧公団、現在の都市機構です。ここは完全な天下り先。
 交通公社が管理をしている多摩センターの駐車場は赤字経営で、市からも固定資産税の2分の1分での補助金が出ています。そして無報酬理事の中にも部長職が名を連ね、監事には収入役が就任しています。

 行財政改革と言いながら、肝心なところの改革を先送りにしている状況は国も多摩市も程度の差こそあれ同じことが明らかにされたように思いますが、こういう実態が市民に知らされることによって、市長が進める改革の真価が問われるとともに議会の力も試されるのだと感じます。とは言え、議会から口うるさく言われることにどう耳を貸すのかは最終的には市長に委ねられているのです。天下り先を抱えている余裕はありません。

投稿者 hisaka : 2005年06月06日

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