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2005年05月31日

市民にとっての利便性では…

 千葉県市川市まで足を運びました。「市民(納税者)が選ぶ市民活動団体支援制度」について話しを聞くためです。この制度に共感し、参加してくれた市民の数については、掲げた目標には至らなかったと言え、まだまだ始まったばかりの制度です。今後どのように市民に浸透していくのかが楽しみな制度です。
 話しを聞いていて、いいことだなあと思ったのは、支援を受けたいとして名乗り出た団体と行政がともに協力し合いながら、制度のPR活動を行ったと言うことです。これは多摩市でも秋に開催される「TAMA CINEMA FORUM」のPR活動にも見られることですが、主要駅において職員とボランティアの市民がともにチラシの配布活動をする光景こそ「ともに進めるまちづくり」なんだと感じます。
 また、制度提案に至った背景には市長の強力なリーダーシップがあるようでした。先例のない取組みには腰が引けてしまい、他との足並みをそろえながらソツ無く仕事をするような自治体がまだまだ多いわけですが、やはり初めての試みに挑戦しようとする自治体の市長は腹がすわっているように感じます。この制度については、全国からも注目をされ問い合せもあるようですが、市川市周辺の自治体では‘様子見’の状況にあるやに聞いています。新しい試みには失敗がつきものだと言えるわけで、これから明らかにされるだろう課題があるのだと思います、いずれにしても成功、失敗問わず市長自らの責任において受け止める覚悟があるのだと考えます。

 ところで、市川市では多摩市の市民活動推進課に対応する部署として「ボランティア・NPO活動推進課」が存在するのですが、この部署は市役所の本庁から外れたところに存在しています。
 今日、つくづく思ったのですが、市民活動を推進していくような部署はなるべく市民が足を運びやすい雰囲気のところにあるべきです。多摩市の場合にはちょうど庁舎の2階にありますが、フロアの雰囲気的にも市民としては近づき難い感じがあります。市民活動というのはたわいのない会話の中にヒントやきっかけがあり生まれていくものとも言えますが、現在の市民活動推進課の場所では市民と行政、もしくは市民どうしの会話が生まれにくい空気に囲まれると言えます。これでは市民も気安く、気軽に足を運べるものではなく、また職員としても周囲に気兼ねをして市民との議論ができるようにもなっていないと思います。市民からの近づき難い「市民活動推進課」では市民協働には逆行してしまいます。

 神戸に行った時にも、市民協働の拠点として庁舎の最も眺めの良い最上階に「プラットホーム」が設けられていました。ここは市民も参加をしながら運営を行い、行政職員とともに来訪する市民の相談を受けたり、情報提供をしていました。市役所の中にありながら、ちょっと「お役所くささ」を脱した場所になっていました。 
 市川市の場合には本庁とは全く別のところに場所を構えており、職員6名体制で対応し、市民と行政の窓口的な役割を果たしているようです。職員の仕事はできるだけ多くの市民に接してつながりをつくることで、もちろん市民との‘おしゃべり’も重要な仕事のうちです。多摩市のように他の部署と同じフロアではなかなかその仕事をしにくいのも当然のことです。その意味からしても、私は多摩市の市民活動推進課もどこか別のところにお引越しできないものかと考えます。
 実は以前、市民活動推進については「男女平等・市民活動推進担当」ということで桜ヶ丘のヴィータの7階に担当が置かれてきた経緯もあり、市民活動推進課として組織を変え、場所を本庁に移動してからまだ2年ほどしかたっていませんが、ここでそろそろもう一歩衣替えをする必要があるのではないかと感じます。

 市民活動推進課の職員の方々は市民に出会うことに忙しすぎて、席についている暇がない!というくらいに出払っている状態がいいのかもしれません。昨日の市川市でも担当職員6名のうち、席にいたのは2名ほどでしたが、これまた2名とも市民からの電話対応をされていました。市民活動推進課が市民にとって、今以上に役立つ部署になるためには「場所」の問題を考えてみる必要性が大いにあると言えそうです。

投稿者 hisaka : 2005年05月31日

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