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2005年05月30日

問題提起こそ大切

 議会運営委員会が開催され、6月定例会の日程決めが行なわれました。議会人事により委員会のメンバーが交替してます。
 さて、今日の委員会では次の二つの点について問題提起がありました。(1)議長と副議長の交代について (2)監査委員人事についてです。
 
 (1)ですが、多摩市議会の議事進行ですが一般質問では初日と最終日以外について昼休み後、次の休憩までの間(おおむね午後1時から3時まで)議長に代わって、副議長が執り行います。しかしながら、地方自治法の106条1では「普通地方公共団体の議会の議長に事故があるとき、又は議長が欠けたときは、副議長が議長の職務を行う。」となっていることとの関係を整理すべきだという指摘です。
 つまり「事故があるとき」とはどんなときなのか。「議長が欠けたとき」というのはどのような事態であるのか。多摩市議会で慣例的に行なわれている議長と副議長の交代はどういう考えに基づいているのかという指摘です。議長にとっては昼休み以後の単なる休憩時間(議長だけ特別扱い?)ではないのかとの市民の疑義もあるため、このような問題提起があったと考えます。地方自治法の解釈本によると、先の106条の件については「休憩も含む」となっているようで、議長の裁量権に委ねられる部分が大きいようですが、これはほぼ多摩市議会の慣例、慣行的に行われていることと言えるでしょう。

 次の(2)は議会選出の監査委員のことです。監査委員は市長提案により決定するものです。とは言え、多摩市議会の慣例、慣行的にはほぼ2年ごとに交代してきた経緯があります。というのも議長、副議長そして監査委員というものがセットになり議会人事をどうするのかの話合いが行われてきたからです。この3つの役職がセットで取扱われる理由について、もちろん‘名誉’ということがあるのだとは思いますが、「役職につくことによって報酬が若干上乗せされるため」と言う話しを聞いたことがあります。
 
 ちなみに報酬は議員は月額51万2千円で、委員会の長には手当として5千円プラスされますが、議長は月額60万円、副議長は月額54万7千円になり、議会選出の監査委員は手当としてプラス月額5万7千円になるので月額56万9千円となります。ここは期末手当にも反映されるため、役職就任は報酬的にも大きな意味を持つと言われるのです。
 
 議会人事ですが、地方自治法どおりに行くとなれば、第103条2において「議長及び副議長の任期は、議員の任期による。」となっており、基本的には4年間が任期となります。しかしながら、多摩市議会では2年ごとに議会人事が行われるため、議長も副議長も慣例的に辞職願いを提出します。そして人選が行われるのです。他の自治体では一年ごと交代というところも多く、それほど議長や副議長の地位がさまざまな意味で‘重宝’され、なり手争いがあることもわかります。
 一方で監査委員も同様で、地方自治法によれば第197条にて「監査委員の任期は、識見を有する者のうちから選任される者にあつては4年とし、議員のうちから選任される者にあつては議員の任期による。ただし、後任者が選任されるまでの間は、その職務を行うことを妨げない。」となっており、基本は4年間。しかし多摩市議会では慣例、慣行的に2年過ぎたところで辞職願いが提出されるという流れでした。そこで市長は通常6月議会に新たな議会選出の監査委員を提案してきました。ところが、今回、市長からの提案されるような動きもなく、もちろん辞職願いが提出される雰囲気もありません。
 そこで今日の問題指摘になったのです。「多摩市議会の慣例、慣行的に行われてきたことはどうなったのでしょうか?」・・・・つまり、慣例慣行、先例主義が主張されるのかと思いきや、今回のように慣例慣行が踏襲されず、踏襲されなかった理由も説明されないことは腑に落ちないというのです。
 そういえばどのような事情があるのかぐらいは説明を受けたいなとは思います。辞職願いを提出するかしないかは「本人の意思」によるものだと考えるわけですが、一応は今まで行われてきた議会人事の枠組みがあるとするならば、そこに存在してきた「慣例」の取扱いがどのようになっていくのでしょうか。
 「さも簡単に慣例は変更できるものなのか?」との問いかけであったとも受け取りました。私の勝手な解釈では、今回のポストをめぐる辞職願いを提出しなかった一件により、慣例や先例には‘それほどに’こだわらなくても良いと証明された気がしているのですが…。

投稿者 hisaka : 2005年05月30日

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