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2005年05月25日

NPOで働く

 労働政策研究・研修機構が主催したフォーラム「NPOは雇用の場になり得るか?」に行きました。NPOの現状報告と今後の課題について研究者による基調講演と実際にNPOの現場で働く人たちを交えてのパネルディスカッションが行なわれました。フォーラムには行政、企業からの参加者がほとんどで、一般市民の参加は少なかったようです。ちょうどフォーラムが終わって帰ろうとしていたところ、偶然にも多摩市の担当職員の横顔を発見しました。声をかけそびれたわけですが、このようなフォーラムに市の担当者が参加しているということでは、意識の高さを感じます。うれしいことです。私としてはぜひ、フォーラムで聞いた話を庁内で共有してもらいたいと思います。

 特に行政に対する提案として重要な指摘がありました。それは適正な価格にてNPOに業務委託をすることということです。NPOへの業務委託と言えば、市民参加や市民協働の観点からしても非常に聞こえがいいのですが、実態は行政のスリム化の手段、いわば「安上がり行政」のためという傾向が強いです。多摩市においてもNPOとの協働で展開されている事業が置かれている状況は決して‘良’との評価はできません。経費削減の手段としてしか捉えようとしない発言をする人もいると聞きます。何のために協働をするのかについて、まずは市全体としても認識を統一していかねばならないと感じます。
 行政の業務委託ということについてはNPOに限らず「適正価格」がいつも問われるわけですが、とりわけNPOについては人件費部分を非常に安価に見積もられてしまう傾向が強いです。職員がやるかわりにNPOで行なうわけですから、やはりそれ相当の人件費を見るべきだというのが今日のパネラーの主張でした。職員給与とNPO従事者の給与の格差是正の問題だと思います。なぜNPOに任せるのか。それは人件費を安くするためではないのです。根本的にはルールに縛られすぎた行政、画一的にしかサービスを提供できない行政・・・・などなど行政の身動きの悪さを克服し、よりよい公共(公益的)サービスを提供しているのがNPOと言えるわけです。そこがもっと強調されなければならないということです。
 「自分の仕事のカワリ」という意識でNPOと向きあって欲しいとの発言がありました。つまり、そうなればそれ相当の人件費を見積もるべきということです。またNPOの組織運営を高めていくような部分での助成、人材育成の部分でも行政の支援が必要だとの指摘がありました。これらには私も同感です。
 ということで、ぜひとも市民活動推進課から今日のフォーラムの話を受けて庁内に発信をしてもらいたいと考えます。ところで、市民活動推進課の立場とは…市民の立場にたって推進していくのか、それとも行政の立場にたって推進していくのかで、随分と取組み方が異なってくると考えられますがもちろん前者であるべきなのは言うまでもありません。市民活動推進課が庁内に向けて、市民の立場からの発言をしてくれることを期待しています。 

投稿者 hisaka : 2005年05月25日

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