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2005年05月21日

既存政党じゃダメ!

 都議選に向けて生活者ネットワーク主催の集会で、村尾信尚さんの講演がありました。元官僚、三重県で改革派として名を馳せていた当時の北川知事のもとで総務部長をされた経歴をお持ちで、現在は関西学院大学の教授です。非常に歯切れよい話ぶりで面白く聞くことができたのですが、話の内容は実は深刻な中味だったわけです。何しろ借金大国日本の抱えている現実について、今の官僚も政治家も嘘吐きということを痛烈に批判するとともに、しがらみだらけの既存政党には政治の改革ができないと断言していました。

 私たちとしては今回の都議会議員選挙について言えば、既存政党からも推薦をもらい選挙協力もしているので非常に耳が痛い話ですが、村尾さんが指摘するように今の政治家には変えられないというのは私も同感です。
 私は個人的な人柄を評価することと、政治家としての個人を評価する視点を別に持つ必要があると思っていますが、後者の視点で評価をすることはなかなか難しいと言えます。もちろん個人としての人柄も問われるわけですが、さらにその上で政治家としての評価を加えなければならないと考えます。地域のお世話役などをやっていると、それはそれで人望が厚くなると思いますが、そのことがダイレクトに政治家としての評価につながりがちです。しかし政治家としての能力とはもっと多様な観点から評価されるべきなのです。つまり「お世話になっているから・・・。」だけではない視点からの投票行動が私たちにも求められるのだと思います。
 既存政党の集票の仕組みですが、やはり多くは「お世話になる」「お世話にならない」という関係で成立し、しがらみだらけの世界に置かれているのだと思います。長く政治家をやっていればそれだけ人との関係が増え、その分しがらみも増えていくわけです。もちろん、人とのつながりはとても重要なので、それを全て無視することはできません。でも、しがらみは政治家としてとるべき行動を制約する時もあるのです。

 村尾さんの話には市民一人一人が少し冷静になって、もう一度自分たちの社会や政治を見つめる必要があるというメッセージがこめられていたのだと思います。よく言われることですが日本人は、特に「納税者である私」という視点を忘れがちです。納税者の視点、生活者の視点、消費者の視点から政治をリメイクするためには、まずは私たちが議会に送る人物の総入れ替えが必要だと言うことなのでしょう。
 いずれにしても政治は人との関係の中で動いていくものです。高い志を持っているにせよ、多くのしがらみの中で初志貫徹することはそう容易くはありません・・・そのことだけはわかります。

*村尾さんに関するページ
村尾信尚ホームページ  http://www.murao-n.net/ 
WHY NOT?ホームページ  http://www5e.biglobe.ne.jp/~whynot/

投稿者 hisaka : 2005年05月21日

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