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2005年05月17日

市長との意見交換

 3月の予算否決は市長の説明責任、情報共有のあり方が大きく問われたと考えます。行財政改革を進めてきた市長ですが、改革の必要性を理解はしていても、その手法について疑問を持つ市民が多く存在しています。また改革のスピードですが、スピード感を持つことと合意形成に最低限必要な時間とのバランスを取らず、スピード重視で進めてしまっている傾向を感じます。そのことによって庁内のまとまりも欠けているのではないか、そんな感じも受けています。

 市長にとって否決と言う結果はもちろん重いものだったはずです。そのこともあってか、議会との意見調整も丁寧に積み重ねようと考えているようです。今日は6月定例会を目前にし、提出される議案など中心に今後の課題に対する意見交換などを行ないました。

 今までは定例会前には会派に対する議案説明がありましたが、ここで説明される議案はすべて庁内で決定済みのもので、一方的な市長の説明を聞くだけでした。もちろん議員からの質問はありますが、ただ質問をするだけで終わり・・・という説明会でした。そこで私たちの会派ではただの説明会であるならば、他の会派と合同で開催すれば十分だと考えてきました。従って、今までの2年間は多摩市議会改革議員連盟の方々と共に説明を受けていた経緯があります。

 さて、今回からそのやり方が少し変更されました。今まで行なっていた会派説明については全会派(つまり全議員で)合同で開催することになり、その前の段階で、各会派ごとに意見交換のような場を設定することになったようです。なぜ各会派なのかといえば、そこは会派を‘政策集団’として捉えているからとのことでした。これに対しては納得しましたが、ただ一点、気がかりなことは全会派との意見交換を行っているのかどうかです。というのも会派の中にはなかなか歩み寄るのも難しい・・・と最初から考えざるを得ないような会派もあることは事実です。これには先入観もあるのかなと思いますが、いつも反対ばかりされていたりすれば、市長としても話しがたいのかなと思います。
 
 しかしながら、そこは市長に少し気分を切り替えてもらい、やはり全ての会派との意見交換をしてもらいたいと考えます。本来は市長が個別に会派との意見交換をするのではなく、議会がまずは議会内で議論しあう場があればいいのですが、今、議会にそれを望むことは少々難しいのが現実です。各会派どうしの議論が活発に展開されるようになるにはまだまだ時間がかかりそうだと私は考えています。各会派、もしくは各議員どうしでの意見交換がどう行なわれるのか、これについては委員会のあり方、活動の仕方でまずは変えていける・・・これが私が前に所属していた総務常任委員会の委員長の方針で、その点から言えば、総務委員会の中ではわりと自由に意見交換をする時間を設けたり、各議員も積極的に発言するように努めてきたという経過もあります。でも、委員長の采配がとっても大きく、委員長の考え方によっては委員会の運営のされ方も全く異なります。
 
 議員どうしでの意見交換がまだまだ不十分と言える状況の中で、議会としての方針を政策的に明確化することも難しいわけで、結局は市長がそれぞれの会派の意見を聞きながら、自分自身の判断の中で意見の取捨選択をすることになります。
 まずは第一段階、各会派との意見交換を行ないたいとする市長の方針には賛成ですが、正直最も重要なのはその次の段階です。市長が意見交換の結果、さまざまな見解が出されるはずですが、それらをどのように取捨選択をしていくのかが大きく注目される部分です。「ただ意見を言っただけ・・・。」にはしないように、少なくとも述べた意見がどう扱われたのかについて説明責任をしっかり果たしてもらいたいと考えています。

投稿者 hisaka : 2005年05月17日

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