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2005年05月15日

名誉職じゃない監査委員

 監査委員は議会とともに行政が適正に運営されているのかをチェックする重要な機関です。しかしながら多くの自治体では監査委員は名誉職化していると言われており、実際に機能不全に陥っている状況にあることも多いそうです。
 多摩市の場合には2名の監査委員がいて、一名は議会選出の委員ですが、もう一人の代表監査委員は公認会計士の方が務めています。行政の会計処理の方法は企業のやり方とは異なっていること、また監査委員の仕事をやる上では行政の仕組みも含めて精通している必要があると言えます。多摩市の代表監査委員の先生は公会計のことを学ぶために大学院にまで通うなど、非常に積極的に監査の仕事をして下さっていると考えていますし、実際に近隣自治体の知人と話しても多摩市の監査委員の質が高いことを感じます。
 当然ながら代表監査委員の先生も本業があるわけで、その合間をぬって監査の仕事をすることはかなり大変だと聞きます。すべてを細部に渡ってチェックをすることは難しいわけですが、時間がある限りで、ていねいな仕事をして下さっているのではないかと私自身は評価しているところです。

 先日「財政援助団体」の監査結果について報告がありました。監査の対象は多摩市商工会議所で平成15年度の補助金に関わる事務の執行に関するものでした。監査の期間が平成16年12月15日から平成17年4月27日までとなっていることからもわかるように、一つ一つていねいにチェックをしていく仕事には一定の時間が必要なことがわかります。
 さてこの報告書で明らかになったのは、財政援助団体である商工会議所のずさんな経理状況と、それを放置してきた行政の仕事ぶりです。行政の補助金の交付のしかたについては不適切さが指摘されており、商工会議所の経理処理に不透明さ等です。報告書のまとめでも「市財政のおかれている状況からも市税等の使途とりわけ補助金等に関する市民の関心は高いことを念頭に事務処理等においても万全を期すことを望みたい」と手厳しい書きぶりがあるわけですが、正直言って、このようなことが今まで見過ごされてきたことは本当に問題だと思います。特に商工会議所に関する補助金については議会でもたびたび問題点とされてきました。にも関わらず、「ずさんな経理処理」が存在していたことには驚きです。ここには行政の責任が今一度問われるべきと考えています。

 このような監査委員の指摘を受けて、もちろん商工会議所が経理規則の見なおしを行ない、行政もそれを指導していくことが必要ですが、「補助金」という観点から言えば、現在協議が続いている「補助金評価市民委員会」においても、監査委員の報告書が生かされることと考えています。そして補助金評価市民委員会ですが、ぜひとも監査委員との連携や協力をしながら今後の方向性を見定めていくべきではないかとも感じました。

 行政運営のあり方については、監査委員のチェック機能が非常に重要であると再認識しています。

投稿者 hisaka : 2005年05月15日

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