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2005年04月23日

「つくる会」の教科書

 今年の8月までに、全国一斉に中学校の教科書の採択が行なわれるということで、新聞でも教科書問題が取り上げられています。いわゆる「つくる会」の教科書が検定を通過したため、中学校で使用できる教科書の一つとして選択肢に加わったからです。
 今日はほぼ終了時間間近でしたが、とにかく資料だけでも手に入れたいと思い多摩市の教科書問題を考える市民の会が主催した集会に参加しました。

 さて、いただいた資料の中で今月18日のニューヨークタイムズ掲載の記事が紹介されていました。それによると中国、韓国、日本の歴史教科書が政府の検定を経ていることにつき『・・・なぜ政府が検定するかといえば、この歴史教科書を通じて生徒に国民性を植えつけるのである。かくして各国とも現政権者に都合のよい歴史の見方が生徒に植えつけられることになる。』もちろんアメリカには教科書を政府がチェックすることはあり得ないので、この仕組みそのものに理解し難いわけです。教科書検定は「計算方法とか漢字など教えもれがないようにする」という点からは必要性を語れるわけですが、しかし歴史の問題ともなると執筆者個々人の歴史観が大きく関わってきます。そこでこの指摘は全くをもって今の日本の状況を言い当てているわけです。

 多摩市ではすでに教科書選定に関わる事務取扱い要綱も制定されています。それによると教科書選定協議会では多摩市民代表として2名が加わるようですが一人は学識経験者、もう一人は中学校PTA代表と決まっています。またこの協議会の下部組織として教科ごとに教科書調査委員会」も設置できるようです。つまり、この調査委員会が重要な鍵を握っているのです。一体どこの出版社の教科書を「多摩市の教育費相応しい」とするのでしょうか?
 結局のところ、調査委員会には市民が参加できる道が準備されておらず、各中学校から推薦された教員と協議会メンバーの中学校校長により構成されてしまいます。そこで教科書問題を考える会でも教育委員会や調査委員会、協議会に働きかけをしていく予定になっています。当然ながら、議員が関わるのも難しい問題です。市民の方々の働きかけを見ながら、教育委員会で最終的にどのような選択が行なわれていくのかじっと見つめていたいと思います。例えば、調査委員会や協議会などが市民に公開されるでしょうか?選定過程を市民の眼からクローズする必要はなく、むしろ積極的に公開をし、また意見交換までできたら素晴らしいと思います。
 いずれにしても私自身も多摩市において「つくる会」の教科書の内容がどのように吟味されていくのか、できることなら議論の場を傍聴したいと考えているところです。

投稿者 hisaka : 2005年04月23日

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