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2005年04月20日

その人にとって最善の利益を考える姿勢

 とある自治体での対応について相談を受けました。というのは出生届を提出した時の話です。東京都では乳幼児医療無料制度があったり、また所得制限がありますが児童手当など、子育て支援への助成制度のメニューは増えつつあります。制度はあるだけでは意味がなく、使われてこそのものだと考えています。
 しかしながら、通常は出生届をだす窓口と各種子育て支援サービスの担当をしている窓口が別々です。そこで、ここでどのような説明をしているのかが問われるわけです。出産前には妊娠届を提出し母子手帳の交付を受けます。ここが行政支援のスタート地点で、例えば妊婦さんに対する健康支援サービスや家事支援サービスがあることを知ってもらうのもこの機会だと思っています。そもそも今までは行政サービスに無関心だった人たちも、子どもを持つことをきっかけに自分の住んでいる街の子育て支援サービスだけでなく他のことについても目を受けるようになったというのはよくある話です。

 さて、先ほどの制度を利用するためには一定の期間内の申請が必要だとされています。多摩市の場合にはいち早く申請を届け出てもらうように周知していると思いますが、例えばうっかりとしていた人やそのことを見落として申請をしていなかった人への対応はどうしているのかなと考えさせられるほど、とある自治体窓口はひどい対応でした。
 というのもずっと申請していなかった人について、実は出生届を提出した時には何の説明も受けず、制度を案内する説明パンフレットすら手渡されず、また多摩市のようにていねいな新生児訪問もされず…行政のサービス等についてほとんど周知されていない状況があったにも関わらず…「だいたい多くの人は電話で問い合わせてきますよ。」とか「(出生届を出す)窓口でのことは私どもではわかりませんので。」の一点張り。せっかく市民のために創設された制度を利用してもらうように努めるのが職員の役割でもあるはずなのに・…と思います。いまどきの公務員としてはあるまじき対応ぶりです。たまたまその人がそうであったとは考えるものの、その人一人の印象こそが当該自治体に対する市民の信頼につながると感じます。
 もちろん申請する側にも落ち度はあったのかもしれません。でも「知らなかったあなたが悪いだけでしょ。」というような態度での接遇を受けた市民は「引っ越したくなった。」との感想です。窓口での対応は自治体の品質を決める大きなポイントです。これからの職員はその人個々人に対する最善の利益を考えて対応をすべきだと思います。そのためにはできる限りていねいにです。要は簡単なことで自分がまったく何の知識もなく市役所の窓口に行った時どうするのか?どうしてもらえるのがうれしいのかを考えればいいだけなのです。

投稿者 hisaka : 2005年04月20日

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