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2005年04月11日

代理人運動の持つ意味

 生協における協同購入の発想で生まれたのが「代理人運動」です。自分たちの欲しい安心で安全な品物を手に入れるためにはみんなで連帯を組む必要があります。一定の消費者を組合員として集い、消費することで生産を維持するのが生協運動だと言えます。そのために組合員を拡大するのは大事な活動の一つです。これは政治活動でも同じです。一定の支持層を常に獲得し、そして拡大をしていかなければなりません。自分たちに必要であり、自分たちの望むような品物がなければ、組合員が自ら商品開発までするわけですが、議員を送り出すのも全く同様で、自分たち自身で人の発掘をし、議会に送り出し「代弁者」にしてしまおうというのが生活者ネットワークが続けてきた代理人運動です。
 自らが動かないと自らの願う政治は実現しないとの発想から生協の組合員だったいわゆる専業主婦層が奮起し、活動を立ち上げてかれこれ20年以上経過しています。当時は「生活者」という言葉も非常に聞きなれず目新しさがあったことと思います。しかしながら、今は当たり前のように「生活者」の視点が大事だと言われるようになっています。「生活者ネットワーク」の活動は専業主婦層が担っていたという点でも画期的なことであり、また「生活者」という言葉にも先見性があったと考えられます。

 今日は生活クラブ生協が主催する集会に出席しました。毎年開催されるものですが、代理人である議員がどのような存在として位置付けられているのかを確認するための集会とも言えます。代理人はパートナーであるというのはまさしくその通りだと思います。生活クラブ生協ではまちづくり活動としてさまざまな身近な生活に関わる調査活動を行っており、時に代理人はそれをもとにしながら議会での提案活動をしています。生活者の声の代弁者として「代理人」の存在意義はとても大きいのだと感じます。

 その一方で私が最近思う事ですが、やっぱり「代理人」だとは言え、「代理」だけしていたり、代弁しているだけでは「議員」としての役割を十分に果たしきれないだろうと言うことです。これはおそらく生活者ネットワークの議員だけではなく、すべての議員にも要求される事だと思いますが、どうやって世論を形成していけるのかという点で議員が求められている役割も大きいのだと感じる日々です。
 今までのようにただ単に要求や提案をするだけではなく、限られた財源を背景に何を選択する事が大事なのかをきちんと示しながら、または時には複数の選択肢を示すとともに市民に選び取ってもらいながら、目指す方向を作っていくために議員ができる役割にももう少し力を入れて行く必要がありそうだと思っています。
 そういう点から考えて、市民の声の代弁者としてだけない「代理人」の役割を見据えながら今後の活動展開を考えていかねばならないと感じてます。

投稿者 hisaka : 2005年04月11日

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