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2005年03月22日

障害者の施設は必要でも

 厚生産業常任委員会がありました。今定例会の最大の関心事である旧西永山中学校跡地を活用した知的障害者の授産施設について「新しい障害者通所施設の建設促進を求める陳情」が提出されていました。「西永山複合施設の校庭を利用した通所施設の建設促進を求める」となっており、私たちの会派では当初から採択し難いという判断をしていました。
 今日は午後2時過ぎより、この陳情の審議に入りました。終わったのは午後7時をとっくに回っており、審議時間だけ見れば「じっくり」と言えそうです。しかしながら、各委員と行政側のやりとりを聞いていると「堂々めぐり」で発展性のない議論が続きます。これは総務常任委員会での学校跡地活用方針をめぐるやりとりと全く同じです。いくら質疑応答を続けても、続ければ続けるだけ体力気力とも消耗して、生産性がほとんど見られないまま終わってしまう…結局、歩み寄る余地すらない議論とはどこまで行っても平行線なんだと言うことがよくわかります。

 最終的に陳情については「趣旨採択」が2名、「採択」が1名ということで、いずれも過半数に達しなかったので「不採択」という結果になりました。私たちの会派も「不採択」です。
 今回の施設建設ですが、現在の障害者の状況から勘案するならば、実際に開所する平成20年時点で、既に定員オーバー状況が予測されています。私たちが重視するのは定員オーバーの状況をどう克服するのかという計画も含めた市の考えです。しかし、行政からの説明は言葉を濁し、歯切れの悪いものでした。
 色々と細かいところまでの質疑応答も行われた委員会でしたが、学校跡地を使用して、民設民営の施設を誘致するならば、その一方で行政には余力が生まれるはずです。この余力をどうしていくのかを含めて、障害者施策全般に対する展望を示してもらいたかったのですが、これについては来年度改定される障害者基本計画をまとめながら考えていきたいというのが精一杯の回答でした。
 既に定員オーバーと言う状況が見えているのなら、そこへの対応も明らかした上で今回の計画を示すべきだと思います。それ抜きにして進めようとするからこそ、違和感がありますし、何だか無責任な感じも受けます。「とりあえず施設をつくります。」では困ってしまいます。後になり「ひとつは施設を作りましたよ。」などと言われないように、今、少し踏みとどまっても、もう少し将来のビジョンをしっかりと定める必要性があると考えています。

投稿者 hisaka : 2005年03月22日

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