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2005年03月01日

施設の性質別分類のこと

 3月定例会が始まりました。市長の行政報告、施政方針演説の後に日程どおり一般質問が始まりました。

 今日の質問では「公共施設の使用料設定の基本方針」をめぐるやりとりがありました。市民から今定例会に提出されている陳情にも関わる部分なので関心を持って聞いていました。
 「公共施設だから無料で使用できて当然」という考え方もありますが、私自身は昨年の3月に公民館運営審議会が「市民サービスとしての部分と利用者のみが得ることのできる利益との兼ね合い、あるいは双方の平等性の見地から議論し、ある一定の経費の負担を利用者に課すことは、公民館事業の発展のためには今日的には必要なことである。・…ただ財政状況が悪化することにより、ただ安易に直接市民に負担を求めていくようなことは避けるべき」と提言しているのと全く同感で、「公共施設=無料」論は時代にそぐわなくなっていると思っています。
 問題は具体的な負担のあり方で、それについては丁寧な議論の積み重ね、市民に納得が得られ受け容れやすい考え方を示す必要があると考えています。

 今日の質問者は行政が示した考え方(現在はまだ‘案’の段階)について、特に「施設の性質別分類と負担率」を問題にしていました。この分類基準は確かに疑問です。
 これは(1)基礎的サービスか基礎以上のサービスであるか (2)民間による類似施設の提供があるかないか、その上 (3)基礎以上のサービスで民間による類似施設の提供があるものについては競合性などの観点からさらに3つに分類されるのですが、例えば「基礎的サービスで民間による類似施設の提供がない施設」には児童館、老人福祉館、道路、公園が該当しています。
 
 この基礎的か、基礎以上のサービスかという部分ですが基礎的サービスというのは「市民が日常生活を営む上で最低限必要なサービス」「ライフステージに応じて、ほとんどの市民に必要とされるサービス」「社会的・経済的弱者を対象に、社会のセーフティネットにあたるサービス」と説明されています。
 私は「市民が日常生活を営む上で最低限必要なサービス」として児童館と老人福祉館があることには疑問です。それについては、おそらく基礎的サービスと判断する基準すべてを満たさなくてもよく、「ライフステージに応じて、ほとんど市民に必要とされるサービス」という基準だけで判断された結果だと考えていますが、分類の仕方として納得ができるものではありません。

 ところで、もう一つ懸念されるのは指定管理者制度等との関係です。今日のやりとりでは、そこまでの話にならず、今後どのような考えが示されるのかまでわかりませんでした。民間のノウハウ活用という手法において、事業委託ではなく裁量の自由の点で注目されるのが指定管理者の制度です。この制度は上手く活用すれば、サービスの可能性は広がります。
 
 例えば児童館で考えてみます。現在、中高生の居場所づくりが話題になっていますが、児童館は0歳から18歳までが対象の施設として位置付けられているものの、開館時間の制約があり、彼らにとっては決して利用しやすい施設環境が整備されているとは言い難い状況です。もし指定管理者になれば、現在よりも開館時間を延長できる可能性がぐっと広がります。また、日曜日にも開館できれば、お父さんと子どもが公園以外に手軽に遊べる場所が増えることにもなります。指定管理者制度には批判もありますが、制度の運用次第だと考えます。もちろん指定管理者制度によらず対応できるのかもしれませんが、今までの状況を見ていると開館時間の延長などは厳しいように思っています。
 そこで指定管理者制度の可能性に期待する部分があるのですが、現在示されている使用料の設定の考え方で「基礎的」と位置づけることの影響がどう出てくるのかなと思っているところです。

 まだ使用料をどうするのかについて議論が本格化しているとは言えません。施設分類の話なども含め、市民から使用料を徴収することに関しては議会においても、今後議論をすべき頭の痛い課題です。

投稿者 hisaka : 2005年03月01日

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