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2005年02月16日

果実運用型基金は役割が終了?

 3月定例会に向けての議案説明がありました。思ったとおりに、特別職報酬等審議会の答申に基づき、議員の期末手当支給に関しては削減の提案がありました。もちろん「審議会の答申があった。」という説明が付されています。それにしても、市長にとって都合のいい答申はいつも余すとこなく最大限尊重されるのだなあと感じます。審議会からの答申を受け、市長から正式な議会に対する断りは一切なく、さらっと議員の報酬削減を提案されたことについては疑問です。ひとまず議会に対し答申を説明し、議会側の対応を待つという手順が欲しいところです。

 さて、今回の議案に特定目的基金である文化振興基金と奨学金基金の廃止が提案されています。それとともに今年度の補正予算では文化振興基金約6億円は財政調整基金に、奨学金基金2億円は公共施設整備基金にとりあえず積む(統合する)との説明がありました。
 財政調整基金は普通貯金的性格の基金なので、来年度当初予算で8億円が取り崩されることになっています。つまり年度末で文化振興基金の6億円を財政調整基金にし、来年度にさっそく使われてしまうとも捉えることができます。奨学金基金の方は、公共施設整備基金に振替されたわけですが、こちらは今後の公共施設整備(例えば中央図書館とか???)のための準備金として、今のところは別の特定目的金として、将来に使えるお金として確保された状態です。奨学金基金までもが財政調整基金にされずに済んだことにはホッとしました。

 果実運用型基金というのは利子(果実)を運用することが目的になっているので、現在のように低金利時代には非常に厳しいと言えます。そのとおり文化振興基金は今年度の果実は3万2715円の見込みだそうです。そこで果実(利子)をそれほど生み出さない基金にしておくよりは、財政調整基金に統合をし、安定的な財政運営を図っていく方が望ましいと考えているそうです。ちなみに行財政再構築プランの事項にもなっていると説明がありました。しかし本当にこの基金を廃止すれば財政運営が安定するのかが疑問です。

 また、3万円の果実として片付けていいものかと思うのです。なぜなら、3万円を稼ぐことは大変だからです。職員が3万円稼ごうと思えば、市民からの税金を3万円分かき集めてこなければなりません。この時代にそう簡単に「どうぞどうぞ」と3万円拠出してくれる人がいるのかなと思うわけです。そこで、そんな簡単に「果実を生み出さないから廃止」と言わないでもらいたいのです。‘たった’の3万円とは言えません。
 
 今まで、文化行政分野に対するビジョンが見えないと感じてきたのですが、その中であっけなく「文化振興基金」が廃止されてしまい、気が抜けてしまいました。仮に基金としては廃止をするにせよ、「文化振興」という部分で確保されていた6億として、こだわった対応をして欲しいと感じるのです。
 一体、この基金を財政調整基金に統合したことが、どれだけどれほど財政安定化に貢献するのか、もっと説明をして欲しいと考えています。

投稿者 hisaka : 2005年02月16日

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