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2005年02月15日

公設備・市民設立・市民運営

 NPOセンター受託団体公募選考会が開催されました。かねてからNPOセンターについては、より充実した運営を求める声も大きく、どのようにNPOセンターを活用しながら市民協働を進めるかは課題になってきたところです。
 多摩市のNPOセンターについては、「公設備・市民設立・市民運営」という設立経緯そのものが特徴の一つになっています。「公設民営」とサラリと言わないところが特色です。とは言え、いわゆるNPOの中間支援組織を独立採算でやっていくにはまだまだ難しいのが現状です。しかも、もともとお金のない市民活動に携わってきた人たちによって試行錯誤、さまざまな議論を積み重ねた上に設立されたのが多摩市のNPOセンターであり、まだまだ行政のバックアップが欠かせません。
 今までの運営については、設立当初からセンターの利用団体の代表により構成される「NPOセンター運営協議会」がとりおこなっており、行政も「NPOセンター管理運営委託」というかたちで財政支援等を行ってきました。
 しかし、NPOセンター設立から3年が過ぎたところで、やはりセンターのあり方について総括をしながら、次のステップへと向かうことになりました。というのは、センターの運営だけを目標として組織されていた「運営協議会」が衣替えし、「多摩NPO協会」という新たな団体になったのです。この衣替えについては、何度となくヒアリングをしても理解しにくい部分がありましたが、今日配布された資料を読み改めて確認できたのは運営協議会が「センター運営だけを行う組織から独自活動もおこなっていく」方針変更をしたということでした。

 さて、この方針変更により、新たな問題が生じました。というのは、市がNPOセンターの委託を「運営協議会」にしていた大きな理由には「センター運営だけを行う組織」という部分にありました。言ってみれば「運営協議会」そのものの存在意義に立脚し、これまでは委託をしてきたのです。もちろんこの存在意義はNPOセンター設立経緯にも裏付けられていたと思います。市民設立という部分を尊重しながら、行政とNPOセンターとの関係性が築かれてきたことは確かです。ところが組織の衣替えによって、行政が「運営協議会」に任せなければならない特別な理由が消滅してしまったのです。
 つまり新たに衣替えした「多摩NPO協会」の事業の一部にNPOセンターの管理運営受託があるということは、他にもNPOセンターの管理運営事業をしたいと考える団体と同等の扱いがされるようになったのです。そこで今日の選考会が開催されました。

 選考会には2団体の応募がありました。傍聴者も10数名ありました。審査員はNPOセンターを担当するくらしと文化部長と庁内に設置されている協働推進会議のメンバー課長4名という顔ぶれでした。各団体のプレゼンテーション20分のあと、10分間の質疑応答があり、あっというまに選考会が終わってしまいました。これで本当に審査できるのかと思わざるを得ませんでしたが、行政が主催する「選考会」を見ることが出来たのはよかったです。私自身は提案事項、事業計画とあわせて財政計画がないことに疑問でしたが、それについての質問は出ませんでした。市の財政援助だけで運営するつもりなのかどうかに私はもっとも関心あります。自主事業としてどのくらいの収入を見込んでいるのかとかも含めた財政計画は必要でなかったかと感じています。

 それにしても今回の応募団体について。もちろん現在運営を受託している「運営協議会」から衣替えした「多摩NPO協会」は手をあげていましたが、もう一つの団体は「多摩NPO協会」のメンバーであるところでした。外部の眼から見て、何となく複雑な思いがありました。「多摩NPO協会」のメンバーであるもう一つの団体は、協会にどのような関わり方をしてきたのかは知りたいところです。
 
 「公設備・市民設立・市民運営」というNPOセンターの特色は、ある意味で多種多様な活動を展開している団体のゆるやかなネットワークで組織されていた「運営協議会」があったからこそのものでした。ある一つの団体にNPOセンターを任せるとすると「公設民営」のほうが言葉としてはふさわしいように感じていますが、いずれにしてもNPOセンターがよりよく発展することを願うばかりです。

投稿者 hisaka : 2005年02月15日

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