« 議員の口利きを記録する | メイン | 市議会議員の報酬など »

2005年02月13日

そこに住んでいる人が決める仕組みは

 多摩自由大学の講座がありました。田園調布学園大学の山崎正さんを講師に招き、地方議会をテーマにした話を聞きました。山崎さんは議員が予算書をきちんと読みこなさねばならないと言うことを強調されていました。そしてサービスと負担との関係をきちんと理解して、考えていくことが必要であり、とりわけ‘負担’の部分を納税者に説明し、示すことが大切なことであると指摘されました。
 ちなみに、山崎さんはアメリカの地方自治の仕組みに精通されているのですが、アメリカではサービス代表が長であり、納税者代表が議会という関係性において予算編成などが動いていくそうです。そこに議会の機能が見えるというのです。考えてみれば日本の場合には、長も議会もサービス代表みたいな傾向にあるような気がします。

 ところで、今日の集会でもっとも盛りあがったのは「議会の透明性」についてです。とくに予算編成のことについては事前の‘ヒアリング’が話題になりました。これは予算編成を行う市長が議員(各会派ごと)にお伺いをし、そこで議員はきちんと役割を果たすというものです。つまり非公開の場所で市長と議員との間ではきちんと調整を行っているため、正式な場において予算案を修正したり、または反対を唱えることはしなくとも議員としての責任を全うしているというわけです。
 しかし、これについては会場から疑問の声もあがりました。事前協議で市民に非公開の場所でのやりとりでは納得がいかないというものです。やはり透明性を高めていくためには、すべてを公開しなければ意味がないというのです。私もこれには同感です。事前に市民にはベールに包まれたところで行われるのがいわゆる‘密室政治’といわれるものだからです。議員は議場という場所で、市長としっかりと議論をする必要がありますし、議員どうしでも意見交換をすべきだと感じています。

 議会の透明性を確保していくということは、議場でしっかりと議論を積み重ねることだと思っています。それがないからこそ、市民から議会へ、または市長への不信感は募る一方であり、形骸化した議会に対しては不要論までが唱えられ、政治への信頼も低下しているのだと考えています。

 長と同じく議会もサービス代表みたいな立場にしかなれない予算特別委員会では、議会としての本来的な機能が果たしているとは言えなさそうです。やはり議会は、納税者代表としてきっちりと予算書を読み解いていく必要があるのだと思います。そのためには予算がどのような積算根拠に基づいているかなど分析をすることが必要です。そしてその分析をもとに市民に説明をし、納得が得られるかどうかを見ていくのだと思います。
 その一連の作業過程に市民の参加を得ていくことで「そこに住んでいる人が自分の負担のことを含めてサービスのあり方を決める」へ結びつけていかねばならないことを感じたのでした。

投稿者 hisaka : 2005年02月13日

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
/797