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2005年02月07日

職員人件費の見直し

 来年度予算原案の概要について説明を受けました。1月の下旬にも説明を受けていたのと大きく変更したところはなさそうで、相変わらず苦しいやりくりをしているという感じです。再構築をしている予算になっているはずですが、‘再構築’がそれほどアピールできる内容にはなっていないという印象です。

 さて1月31日に職員組合に対し、当面(3年間)の人件費2.5%削減を申し入れ現在協議中とのことです。ラスパイレス指数が全国第2位という水準になっていることを考えれば、市民に理解と協力を求める財政再構築をするためにも見直しが迫られて当然の部分だと言えるでしょう。「頑張っている職員のことを考えれば人件費の削減をしたくない。」という市長の思いが強かったようで、一般職員の給与を見直すことには躊躇していたようです。管理職の人件費はすでに市長給与を始め見直しが行われていましたが、一般職員の給与をどうするのかについては、これまで見直しする気配すらありませんでした。しかし、今、この時点に来てはそのようなことも言っていられず、市民からは批難の的であった人件費削減の決断をしたとの説明がありました。
 
 当然ながら「人件費の削減」で組合との交渉がすんなりといくはずがないのですが、組合側の言い分は特に「手続き論」において承知いたしかねるというものだそうです。組合側としては財政状況の厳しさは理解済みであり、市民生活などを考えると自らの人件費見直しに関しても決して消極的ではないとのことです。しかしながら、組合に対する話の持ちかけ方があまりにも性急過ぎると言うことで、現在交渉が難航してるとの話です。職員がいろいろと来年度予算策定作業をしている時には何の前触れもなし、予算内示後に突然削減提案が行われ、職員にとってはまさに驚愕!という事態になっているのです。

 この状況をどのように解すべきかと思います。話を持ちかける側に否があるのかどうか・…、ぎりぎりまで削減するかどうかの決断を先送りしたと言う市長の気持ちも少しはわかります。しかし、それを組合側にきちんと伝えきれていないからこそ、人件費見直しにそれほど消極的でないけれども「手続き論」に固守しているように思います。
 これは言ってみれば、市長が今までどのような信頼のもとに行政運営をしているかにも直結していると感じます。要は「この市長が言うことなら」という職員からの信頼の獲得度合いによってもこのような協議の進みかたも異なる気がします。例えば今までの市長の組織運営のありかたにおいて、朝令暮改のような指揮をしていて職員を翻弄してばかりこなかったかとか、物事の決定プロセスの中で職員との意見交換をどのように図ってきているのかみたいな部分が問われるように思います。「庁内民主主義」がどのように確立しているかがということかもしれませんが、組合側が「手続き論」にこだわる理由には、「もっと風通しよく話合いのできる組織が欲しい」という要求もあるのではないかと思うのです。なぜならば、市民に対する様々な提案のされ方にも「性急すぎる」と感じることは多く、改革の出鼻から挫かれているような事例も見受けられるからです。「いきなりすぎる」…これではやはり理解や信頼を得られないと思います。
 合意形成には時間がかかりますし、かかりすぎるのかもしれません。しかしながら、その時間のかけ方、タイミングの見極め方に市長の手腕、経営者感覚があるのだと思います。

 さて、そう言っているばかりではなく、このような状況を受ければ議会の対応にも注目が集まりそうですが、今のところ報酬見直し論議は聞こえていません。

投稿者 hisaka : 2005年02月07日

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