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2005年01月15日

コミュニティ行政って何?

 明日の政策ゼミのミーティングに向けて資料に目を通しました。大学生中心のゼミ生が選んだテーマは「まちづくり・コミュニティ」。とても抽象的なテーマだけにどのような項目立てをして一般質問ができるのか悩ましいところです。

 さて、私が手にした資料は平成9年の「多摩市コミュニティ行政研究会報告書」ですが、これは非常にいい内容がとりまとめられています。この研究成果が現在はどのように生きているのかが疑問…これが率直な感想ですが、「まちを拓く!パートナーシップ市民と行政」という副題がつけられており、この研究に関わっていた職員は「協働」の考え方に高い問題意識を持っていたのではないかなと思います。
 すでにこの中でコミュニティセンターごとの運営協議会と市を中間的な立場から間接的に支援をする「協働的なしくみ」が提案されており、市民活動をバックアップするための「中間支援組織」像が明らかになっています。この報告書の提言を活かした地域づくりが進んでいたらなあ…と報告書が出てから6年後の現在を考えさせられてしまいますが、私自身はこの研究に携わった職員が庁内に存在していることに心強さを感じます。
 ここで興味深いのはこの中間支援組織の所管施設としてはコミュニティセンター、地区市民ホール、老人福祉館となっているところです。この3つの施設は現状から言えば、施設の正確は異なり、まったく別個のものとして扱われています。建設された目的やらを考えるとそれは当然のことと言えるのかもしれませんが、市の行財政再構築プランにおいて公共施設の在り方見直しが目指されている中では、施設そのものの再編成を視野に入れることは必要です。つまり、名称に縛られず各地域に存在している施設をすべて地域住民の活動拠点として再度位置づけし直すのです。
 こういう作業をしていると、例えば比較的最近に建設され、デザインなども豪華なコミュニティセンターと老人福祉館や地区市民ホールの施設水準が違うという不満が出るのかもしれませんが、そのような市民感情を持つ時代ではないことを市民側も認識をしつつ、これからの地域づくりやコミュニティ形成のために何が必要であるのかという視点から考える必要があるのだと思います。そうでなければ、きっと話合いは成立ちません。「モノ取り」合戦であった今までのハコモノ行政の反省の上に、これからのまちづくりに必要な機能を再構築していきたいものです。
 
 とにかく、都心部より団塊の世代の「大移動」が起こります。昼夜間人口の構成が変化する3年後を見据えて、地域での居場所づくりをどう進めていけるのか、難しい課題とは言え、結構色々と思いをめぐらすことで楽しい地域像が描けてきます。

投稿者 hisaka : 2005年01月15日

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