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2005年01月09日

銀行金庫跡に野菜畑

 朝日新聞の朝刊のトップにはかつての大手銀行の金庫として使用されていたビルの地下で「コメ・野菜工場」がスタートするという記事が掲載されてました。一体、このプロジェクトにはどのくらいの設備投資がかかっているのだろうかと関心があるものの、それはさておき「農」への注目を感じました。ここは、当初は就農を目指す元フリーターの若者数名が栽培を担当するとのことですが、現在、都心などで働く希望者にもその場が開放されていくようです。

 「農」がこんなに人気の理由ですが、育てる楽しみがあるのはもちろんのことです。しかし、気候などの外部要因により影響は受けるとは言え、一生懸命向き合えば‘裏切らない’というのが人気の秘密にあるのではないかと思います。つまり育て方により育ち方は違うわけですが、それでもいつか花開き実をつけるという結果が出せるのが「農」の魅力の源になっているように感じます。

 ところで、多摩市でもニュータウンの未利用地や学校跡地等を活用して「市民農園」にすればいいのではないか?という提案をよく耳にします。私もそれはとてもいいアイデアだと考えてきましたが、都心のビル地下に農園ができると聞けば、やはり市民農園はまちづくりにとって重要な要素だとの思いを一段と強めた次第です。「団塊の世代をどうする?」と数年後を見据えた話題が飛び交う昨今ですが、私は決して団塊の世代が地域に戻ったら農業へと誘導しようなどと考えているわけではありません。しかし、市民農園は地域で団塊の世代の人々を受け入れる場として果たす役割は大きいような気がします。
 会社に疲れにはない爽やかな疲れと、会社では裏切られ、無視されるとしても、どんなカタチであれ自分の頑張りに応えてくれる結果が出せるのが「農」です。思いつめた顔、眠そうな顔、多くの人は無表情でスーツ姿で急ぎ足、一斉に改札に向かっていく人の塊が今の朝のニュータウンの風景だとすると、農作業の器具を持って、農作業スタイルではりきってニュータウンを歩いている人の姿が増える風景は悪くないと思います。
 さらに「農」=みどりにもつながってきます。自分の趣味で「農」をしていたとしても、それはまちづくりへの参加にもなります。みどりの再生にもなり、そして多摩市ではなかなか成立しにくい「地産地消」を進めていくことにもなるからです。「農」をまちづくりに取り入れる効果をもっと評価していかねばならないと思います。

投稿者 hisaka : 2005年01月09日

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