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2004年09月22日

子育て支援施策のヒアリング

 東京生活クラブ運動グループ(生活クラブ生協の組合員が中心となって組織している各団体が集まっている。例えばNPOとかワーカーズコレクティブ等)から自治体における子育て支援施策の把握に関する調査を依頼されたので、生活クラブの担当者と子育て支援課長さんにヒアリングをしました。
 一言で「子育て支援施策」と言っても、私自身もすみずみまで状況を把握しているわけではないので、調査項目に関して話しを聞くことで、全体像が少し掴めるようになりました。

 さて、多摩市の子育て支援施策は周辺自治体よりも質が高いと評価されています。特に保育所は評価されていますが、延長保育などでは国や都に先駆けて取り組んだという経緯があります。保育所は公立2園と私立14園で、定員が2041名ですが、プラス25%までの運用定員が認められています。現在の純粋な待機児童は47名です。(なぜ純粋・・・と書いたかと言うと家庭によっては‘ここの保育所’と限定で空き待ちするケースもあるので、そうではない場合の待機児童数)これはかなり優秀だと思います。
 保育需要などは、待機児童の解消ができる見込みで新たに保育所を設置すると、また新たなニーズが掘り起こされるという不思議な現象が起こります。再来年4月から多摩センターの駅前に1園がオープンする予定ですが、定員84名ですが、しかしこれで市内のニーズに対応しきれるのかどうかは微妙です。この新設の保育所では延長保育を21時までとする予定で、これについては既存保育所でも実施可能なところでは現在の19時からさらなる時間延長できるかを検討中とのことです。早朝から夜遅くまで子どもを預けっぱなしにしておいていいのかという議論があるとは言え、しかし事情が事情でやはり遅くまで預かってもらえる保育所が必要な人がいるので、21時までの延長は親にとってはありがたいことでしょう。そもそも子育て中の親が夜遅くまで子どもを預けなければならぬとの選択をせざるを得ない働き方をしている場合が少なくないのです。ここは労働のあり方そのものを社会全体で見直していく必要性の部分です。
 子どもを育てていくためには経済力が必要です。聞くところによると保育費を支払うために働いているのではないかと思う・・・と言いながら、子育て期を乗り越えている人もいて、なかなかこの問題は根深いなあと思っています。
 
 ところで、子育て支援施策は少子化の流れが止まらない現在、国全体で、そして各自治体も力を入れています。多摩市の施策全体を眺めても、国の方針に則って進んでいることがわかります。保育所では評価される多摩市ですが、やはりそれ以外の面での子育て環境の整備がより求められているところです。子供家庭支援センターのオープンもその一貫です。
 私自身、このように子育て支援が充実していくことは喜ばしいことだと思う一方で、やはり、それだけで少子化が止まるとは思えずにいます。というのも、昔に比べれば格段に子育て支援策は拡充しているし、きめ細かくなってきているのに、少子化は進行するばかり。決して子育てのしにくさだけが原因ではないのです。
 そのことを考えると、これだけ子育て施策に力を入れることで、どれほどの効果を期待しているのだろう・・・と殊に私は国の動向を見ていると感じています。現段階では、子育て支援策を充実することが、子どもを産み、育てる選択への動機づけになっているとは思えないからです。今日のヒアリングをして、ますますその思いを強くしました。

投稿者 hisaka : 2004年09月22日

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