« 建設環境常任委員会…陳情や請願を出すという行動にも | メイン | 調査特別委員会…最終的な報告書はいかに? »

2004年09月15日

文教常任委員会…市立幼稚園の行方

 委員会での案件は、今定例会の中でも最も注目される「市立幼稚園廃止」の条例があります。また、「中央図書館建設の早期実現を求める」請願もありました。図書館建設の問題は、今後の動向があるために、委員会での継続審査案件となりました。稲城市ではPFI方式による中央図書館建設が進められています。私自身は図書館が建設されることに異議はありません。しかしながら、中央図書館機能を兼ね備えるとすれば、それこそ器だけが立派でもしかたないわけで、きちんとその中身の充実が必要です。もちろん年々、維持管理費としても図書の購入費なども今まで以上に見こんでおく必要があります。ここにどれだけ、税投下出来ていくのかをきちんと考えていかなければならないと思っています。

 さて、幼稚園の廃止に伴う条例ですが、これは結果的には「可決すべき」となりました。私たちの会派でも、3月議会の際には廃園に伴う話合いをもっとすべきであるとのことで陳情を採択しています。その後、どのような話合いが持たれたのかについては、直接現場に行けてはおらず、周辺より伝え聞いているのですが、地元住民や保護者に対しては数回の話合いをしたそうです。
 また、教育委員会では、廃止を決断するための条件的に市長の考え方を問うための今後の方針方向性など6項目に渡る質問書を出していました。それに対する回答も勘案しながら、最終的には新たな4項目の要望を市長側に提出するとともに、市立幼稚園廃止を決定しました。市長はこれに基づいて、今回、議会に条例提案をしています。(形式的には教育委員会が条例提案を市長に願い出るとかたちです。しかし、この廃園方針については教育委員会に先立って、市長サイドが廃園の方向性を示唆し、市民に明らかにしたと言う問題点があり、ここも物議を醸し出した部分の一つでした。)
 
 3月議会の陳情採択によってなのか、また教育委員とのやりとりもあってなのか、廃園時期が一年延長されることになりました。もともと、行財政診断白書では向こう3年以内での廃止という方針が出ていたので、当時は3年後には廃園になるのだと思っていたのが、一年前倒しされて、周りも慌てふためいたと言う経過があります。市民への周知も不十分だったので、今年の4月からの入園児の保護者にも不安は広がりました。園児募集の12月の際に告知していなかったために、ますます波紋は広がりました。そこで、今回は9月議会で廃園を決定すれば、12月の募集の際にも、きちんと廃園決定の明示ができるという理由からも条例が提案されているのです。
 これについては、なぜ、今の時期の条例提案なのか…来年度でもいいのではないかという意見もありましたが、私たちの会派では今の時代環境の中で、私立幼稚園の努力も見られること、保育園需要の伸びを考えても、公立幼稚園の廃園はやむを得ないと考えています。その意味では、いつに廃園をするのか?という時期的な問題はあれ、いずれそのような時は訪れ、誰かがどこかの時点で決断を下さねばならないことは明らかだと考えてきました。

 市立幼稚園の廃園後の施設活用では曖昧模糊とした「総合的施設」への転換を図る…とのこと。これは国の方針もはっきり打ち出されていないのでという説明付きでしたが、不安材料が残ります。しかしながら市長が、再来年度末に廃園を決断したのならば、廃園後にどのように子ども施策充実を図っていくのかで勝負をすべきだし、そうなるように努力を進めて欲しいと思っています。常に、経営感覚というわけでスピードを大事にして改革を進めると言うのが市長の方針なので、ここはしっかりと取組み姿勢を見つめたいと思っています。ちなみに、国の方針がなぜ重要なのかといえば、国の出したメニューに沿えば、いくばくかの助成をしてもらえるから…と言う理由からでしょう。まず、多摩市としての方針を出し、それが国のメニューと合うのならば助成してもらい、そうでなければ「お断り」くらいの気概は欲しいです。

 さて、条例がこの9月に提案したことが早すぎて、再来年度末の廃止ならば来年度の議会で条例提案をすればいいという考えにも、なるほどとは思います。しかし、私自身は12月の園児募集の時に、きちんと廃園の時期を明確にしなければ、また今回のように「そんなこと聞いていなかった」という事態になりかねないので、そこは、公立幼稚園を選択する個々の家庭に廃園を覚悟してもらうためにも、9月議会ではっきり結論を出した方がいいだろうと考えています。廃園をするということは、いつでも、今回と同様の波紋が広がり、また同じような状況が生まれます。応募者が少なければ、その分、費用対効果の面では無駄があるとも指摘されることでしょう。でも、それは避けられない部分です。今、必要なことは、決断をくだした後に、どう行動していくのか、そして次につなげていくのかだと思っています。
 廃園後の施設活用については、公募市民も交えた市民委員会で考えていく方針だとも聞いています。一つの変わり目の時期を市民とともに受け入れつつ、ここをバネにして次のステップへとあがっていきたいものです。

投稿者 hisaka : 2004年09月15日

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
/741