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2004年09月06日

噂だとは言え・・・

 行政と議会との関係、そのあり方は常に課題になってきました。議会は市長の判断に、その正統性を付与すると考えることができます。議会にも自らの提案権を生かす術もあるわけですが、今までは仕組み的になかなかその権利を行使できる場面が少なく、いつも市長に引っ張られ、議会が市長の考えを追認するかのような・…その傾向が強かったのが自治体議会の現実です。ここが二元代表制の首長と議会の関係になっていないと批判を受ける最大の理由です。自治体議会は国会とは違うのに、中味を見れば、国会さながら‘与党’と‘野党’が存在していると言うことです。

 さて、今日の質問のやりとりでは、部長クラスが勢揃いする首脳部会議の場における市長の発言が問題になりました。
 これは、学校跡地の問題で議会の全員協議会があった後、そしてパブリックコメントが募集される前段階で市長が「廃校施設として対象になっている場所の中で、一ヶ所については既に動いている活用に向けた段取りのままで進めていき、他のところについてはゆっくり進めましょう…。」という趣旨の発言をしていたと言うのです。議員は洩れ聞こえてきた話なので…と前置きを踏んでいたわけですが、市長に対して「こういう趣旨のことを首脳部会議で発言したのかしないのか」と問い質していました。
 しかし、逃げも隠れもせず、市長はちゃんと目の前に座っているにも関わらず、辞して動かず。答弁をしたのは所管部である企画部長。部長は答弁が上手なので、さらりと発言の有無には一切触れずに回答していたわけですが、やりとりをしている様子を見ている方が嫌気ささずにはいられない場面でした。せめて助役でも出て来ればいいのにと思いました。

 私は今回の質問の中で首脳部会議を公開したらどうか?と提案してみました。確実に決定したことだけを公表するのではなく、決定過程の情報公開の一環とすれば、何も悪いことを話あっているわけではなく、部長さんたちが多摩市をいい‘まち’にするためにと頭を悩まし、議論をしている会議なら、それこそ公開する価値があるはずだと思うからです。そうすれば、今日のように市長の発言があったのかなかったのか…みたいなことが話題に上ることもなく、事実関係で市長を問い質すことができるからです。
 いずれにしても、「煙のないところに噂は…」と言います。殊に学校跡地の施設活用方針問題では住民運動が起きてもおかしくないような状態が出来つつあり、多摩市にとっても重要な課題です。重要な課題だからこそ、市長のちょっとした重大発言が洩れ聞こえてくるのだと思います。本人の口から聞いていない限り「噂」と言えますが・…しかし真相を知りたいと思うのは誰しも同じではないかと感じます。
 でも、言ったか言っていないか、または同じ発言をしても受け取る側の在り方で印象もずいぶんと変わることも確か。その面からは、結局、市長の今回の発言は藪の中のままなのです。このケース、「人の噂も七十五日」が通用するのでしょうか。

投稿者 hisaka : 2004年09月06日

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