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2004年09月02日

ここで議論できること?

 今日は思わず、行政の答弁者側の立場になり同情してしまいましたが、消費税率や所得税率の問題についての質問が出ました。もちろんこの問題は市民生活にも大きく関わる問題で、地域で議論することも無意味だとは思いませんが、しかし多摩市の行政にしつこく尋ねたところで、賛成も反対も含めて明確な回答が出せるわけもなく、「国の動向や推移を見守っていきたい。」とだけで終始したのですが、それにしても、この問題を自治体議会で行政側とヤリトリする事ってどんな意味があるのだろうかと疑問に感じてしまいました。
 もちろん議員どうしで議論するならば、考えられるかもしれませんが、それでも尚、税率アップに異議を唱える意見書をまとめるくらいはできても、それ以上のことはできず、もし仮に議会として議員総出でできることがあるとすれば、市内あげての「税率アップ反対キャンペーン」くらいなものです。でも、きっとこれは議会としてやるとすれば実現不可能な話し。結局は自分たちの間から選出された国会議員の判断を仰ぐしかないという状況です。

 しかしながら、今日の質問ではこの問題についてかなりシツコク質問が飛ばされ、最初は黙々とその様子をうかがっていた議員や、半分眠りに入っていた議員の間からも「そんな議論をしても仕方ないだろう。」というような野次が飛ぶ始末。私も品のいい野次(品がいい野次があるのかどうかはまた議論が分かれるけれど)ではなかったけれど、そう言いたくなる気持ちもよくわかると思いながら、自分の席でぼーっとその様子を伺っていました。行政が直接的に手を施せるような問題ではなく、生産的な議論になり得ないことは最初からわかってると思うんだけどなあと。

 一般質問はもちろん議員個人が時間制限内で自由自在に使えるわけで、どんな質問をするかに制約があってはなりません。自由に発言ができなければなりません。けれども、消費税の議論や所得税の議論をこの場でやってみてどんな効果があるのかと思ってしまいました。なぜなら、考えようによっては、税収がどんどんと目減りしている行政に税率アップを反対する理由は正直どこにあるのだろうか…と思うこともありますし、もし反対を唱えるとすれば、その分、自治体レベルでできる減税だって考えなければならないし(ほぼ不可能)・…やっぱり、この場で行政との質疑応答することの目的がどこにあるのかと疑問に思えてなりません。

 そう考えてみると、「税金」という根幹の部分を自治体議会レベルであれこれと口出しする余地はほとんどなく、市民生活にダイレクトに関わっている自治体が発揮できる力にはやっぱりまだまだ制約があり、国のなすがままだなあと思えてならないのです。税金のあり方から考えても、もっと自治体の自由裁量に任せてもらえる部分があれば「自治」の中味も実質的な深まりが出てくると考えるのですが、都市と地方など地域格差の問題をどのように捉えるのかとの問題が解決されなければまだまだ国主導の税金のあり方が変わっていかないのだと思います。自治体議会で発揮できる力にもまだまだ発展途上です。

投稿者 hisaka : 2004年09月02日

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