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2004年08月26日

市内の移動をスムーズに…「のりたくなる」「タクシー」

 多摩市の課題として考えている「移動」の問題。議員の条例提案権を活用していこうとスタートしてから約一年が経とうとしています。条例づくりに議員が関わるとはどんなことか、また、問題解決いわば市民生活を向上させるための条例策定をするためにはどんな準備が必要なのかなど考えながら取り組んできましたが、やっと条例文が見えてくるところまでになりました。多摩ネットのメンバーを中心にして、調査活動や学習会などを積み重ねてて、条例文を案として作成したので、今後はこれをたたき台にし、更に意見を募っていく予定です。時間はまだまだかかりそうです。

 ところで、市内での移動をスムーズに…ということで交通の利便性を向上させるべくミニバスの運行をはじめ行政も様々な試みをしているところですが、やっと予定されていた交通社会実験の骨格が見えてきたようです。既に8月上旬に実験を行う地域での説明会が開催されていて、その際のパンフレットが手元に届いていました。ちなみに、実験の対象地域は落合4~6丁目、豊ヶ丘4~6丁目地区です。
 この実験は「予約型集合タクシー」で、あらかじめ利用者は会員登録をして、利用の際には電話予約が必要なシステムになっています。バス停のように乗降場所は決められていますが、バス停とは違い団地内の道路にステーションを設置を予定しているので、その点、歩行に困難を感じる人には少しは助かるのだと思います。このタクシーが『のりタク』(のりたくなるタクシー)です。現在は11月の運行に向け、着々と準備が進められている段階。まだ実験が始まっていないけれど、‘成功or失敗’と実験につきものの結果がどんな風に導き出されるのかと今から楽しみです。例えば、同じ団地に住んでいてもご近所づきあいに恵まれないという人が、『のりタク』を利用することで近所の人と顔見知りになれるという効果は期待できるかなあと考えています。ミニバスに普通のバスの車内よりアットホームさもタクシーともなれば更にだと思うからです。
 成功の中にも常に課題が見えてくるわけで、この実験がいずれにせよ有意義なものとなるように願っています。まずは利用者としての会員登録をしてくれる人がどれくらいになるのか、そして利用のしやすさはどう評価されるのかなど、また協力を仰ぐタクシー事業者の反応も含めて、面白い調査結果が出てくるといいなと思います。

 さて、「移動」に関する条例ですが、この社会実験の結果を受ければ、内容にも変更箇所が生じるかもしれません。ひとたび条例を制定すると、これを改正する作業はラクチンではありません。だからこそ条例制定作業には慎重を要するのだと思います。今回のように生活に密着している課題そのものを直接解決するための条例文づくりは、自治基本条例的なものよりも幾分、取組みやすさを感じます。でも、条例を自分たちの手でつくる難しさには変わりなく、条例をつくるための技法を身につけること、これは訓練なのかもしれませんが、その大変さを思っています。

投稿者 hisaka : 2004年08月26日

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