« 学校の適性規模は? | メイン | 議会だよりのつくりかた »

2004年06月15日

市町村合併のはなし

  市町村合併の話しは都会では、特に東京都内ではあまり話題にならずに来ています。保谷市と田無市が西東京市になり、五日市町と秋川市があきるの市になりましたが、これも今回の市町村合併の動きとはまた別の流れのなかで行なわれた気がします。「合併」についての話しを聞く機会がありました。すぐ近いところでは、まだ任意協議会ですが相模原市が津久井3町との合併を目指しています。
 相模原市は政令指定都市を目指すそうですが、そうなった時、神奈川県はどうなるのでしょうか?横浜、川崎についで相模原市までが政令指定都市になれば、県の役割って一体どんなことに集約されていくのかと思います。その存在意義が問われることにもなりそうです。
 ところで、相模原市の協議会ですが、なんとメンバーが50名で構成されています。この人数を聞くだけで、一体どんな議論が出来るのかと疑問に思います。きちんと議論が出来る人数の規模は考えられているものかどうか不思議です。この人数を聞いただけでも私は合併が本当に市民のほうに顔を向けて行なわれているのかしらと思ってしまいます。
 さらに、合併については住民投票で意向を聞く自治体が多いですが、とある市の住民投票は、有権者の50%の投票率があれば、その結果は「尊重され」、もし投票率が50%に届かなければ「参考意見」になるという枠組みで実施されるそうです。「尊重」と「参考意見」…どう違うのでしょうか?
 私は市町村合併で言えば、合併することで手に入る「合併特例債」の使い道をどうやって決定するのかしら…と思っています。というのも、合併前のそれぞれの自治体ごとにそれぞれ思惑があると考えるからです。財政が厳しくて行き詰まりを見せている中で、この特例債をあてにして事業が行なわれるケースもあるようです。つまり、特例債がどのくらい発行されるのかは県との協議が行なわれるので、あてにしていても思い通りの額面が手に入らないという場合も多々あります。その時に合併前自治体ごとの思惑の調整をどうやってしていくのだろうと感じるのです。
 合併が頓挫した地域の話では、合併が決まる前から、それを予定していた自治体がそれぞれに市庁舎の建設など、「ハコモノ」建設を始めたそうです。しかし合併が頓挫してしまったとのこと。その代償は一体誰が支払うのでしょうか?ちなみに議決機関を通過していることを見逃してはならないのです。
 例えば、相模原市の任意協議会ですが、予算は9千万円です。協議会の予算で1億円にせまる予算が計上されていて、驚きですが、仮にこの協議会が法定協議会にもつながることなく、途中解散して、合併話が頓挫してしまったら、その9千万円は一体何だったのかと思います。誰がその責任を負うのでしょうか。

 また、合併問題ではそのことによって、地域の議員はそれぞれ選挙区が変更したりするために危惧を抱いていて、議員が合併における壁になっている地域もあるとの話です。こういう話を聞くとますます合併が誰のために行なわれることなのかと思ってしまいます。
 そして、合併後も任期が来るまでは議員定数の特例があり、それまでに議員だった人は活動を続けられます。そのお蔭で馬鹿でかい定数を抱えた議会も存在しますし、合併するそれぞれで報酬が異なる場合には一番高い金額に合わせますので、またこれも市民に大きな負担となります。効率的、合理的な地域行政を行なうため…とは言うものの、公務員にしてみても合併後10年間はそれまで通りの立場が保障されますし、行財政改革とは隔たりあるところから、新しい合併後自治体は進むわけです。

 まだまだ議論が尽きないのですが、このような動きを見ていて、私は市民に顔を向けていくということを考えさせられています。結局、最終的に責任を負っていくのは市民だからです。そのことを頭に入れた時、今の財政難だけを切り取って「合併」推進していくことが本当にいいのか悪いのかはもっと議論すべきところだと思います。私は「自治」の単位は小さい方が好ましいという考え方だからです。

投稿者 hisaka : 2004年06月15日

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
/714