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2004年06月10日

夏の風物詩はどうなる?

 私用が入り、厚生産業常任委員会の傍聴が出来ませんでした。今日の委員会ではこの6月議会に合わせて提出された陳情案件2つが大きな議題です。
 一つは「失業者の雇用促進対策」に関するもの、それからもう一つは「関戸橋の花火大会」についてです。

 一件目は、雇用対策と言うことで、現在、国から各自治体に対する失業者支援のための補助金を、今後も継続してもらいたいということ、それから「補助金」のしばりがありすぎて、自治体にとっては使い勝手の悪さがあり、弾力的な運用が可能になるようにしてもらいたいとの内容で多摩市議会としての意見書を国に提出して下さいという陳情でした。もちろん、これには賛成です。依然として、補助金を‘いただく’時には国からの様々な制約がつき、なかなか自治体独自で自分たちのやり方にあったお金の使い方が出来ない現実はまだまだ存在しています。「全く地方分権的発想に欠けている。」と思えるような国のやり方はちらほらと見え隠れするのです。

 話は横道に逸れますが、特に福祉分野では国に振りまわされているのが自治体の状況です。自治体独自での判断できる範囲が広がっている面もありますが、一方で、国でやりきれなくなった部分を住民に身近な自治体での決定という大義名分のもとで、いかにも自由裁量の範囲が広がったかのように見せているのが実態だと思います。介護保健制度や障害者の支援費制度がその典型例です。
 かつてはお金は出して、口も出す…のが国のやり方でしたが、今では方針や指針などは示して、口はある程度まで出すけれど…しかしお金は出しません!「自治体のみなさまは、自助努力でやってくださいね。それが自己責任ですよ!」…と地方分権を逃げ口上にして、国としての役割をスルリと自治体に転嫁しているのではないかしら?と思うことも多々あります。

 雇用対策に関する補助金については、相変わらずの国から地方へという体質をそのまま引きずっての運用が求められていて、国の優秀な官僚といわれる方々はもっと地域のことを見て欲しい…そうすれば、もっと地域が使いやすい補助金の運用の約束事を決められるのではないかと思えてならないのです。この陳情を採択して、国に意見書を上げることは賛成です。委員会でも採択されたようです。

 さて、もう一件の「関戸橋の花火大会」の継続を求める陳情について。こちらはどうやら委員会では継続審査となったみたいです。当然でしょう。なかなか議会としても判断の難しいところです。
 というのは、毎年盛大に開かれてきた花火大会の主催者は多摩市の商工会議所です。行政は運営費補助をしてきました。しかしながら、この運営費補助も段階的に減らしていくことで方針が出されていました。その途端に中止のニュース。私たちも3月議会の予算審議の際にこの事実を知り驚きました。主催者が中止を発表した限り、それでも多摩市の夏の風物詩として市が主催者になり継続出来るかと言えば、そこまでの体力がない現状があります。
 なぜ、花火大会の中止を決定したのかについては様々な憶測が飛んでいますが、市の運営費補助を削減したということも、もしかすると一つの理由にもなったのかもしれません。実は今年度の予算書には削減されているとは言え、関戸橋花火大会補助で予算が計上されていましたが、これは執行されないままになってしまうのでしょう…。非常に残念な話です。その意味では市としては、予算を議決した議会としても花火大会を継続していきたいという意向はあったことは確かです。
 去年のことを思い出すと、中州に数名が取り残された事件がありました。このことも関連するのかもしれません。それと全体的に経済の回復状況が悪いため、地域の企業からの寄付や出資も募りにくいこと等、さまざまな理由が相俟っているのだとは思います。でも、関戸橋の花火大会は多摩市だけではなく、他地域からも人が集まってきて楽しみにしていたことを考えるとやっぱり残念です。じゃあ、多摩市が主催者になれるかと言えば、現実問題、側面的な応援は出来ても、中心的に動くことは現状難しいと思われます。
 どうにか花火大会を継続できれば…、継続して欲しいという気持ちは、陳情者の多摩大学の学生有志と同じですが、だからと言って、議会として市に継続を要請するのならば、議会としてどのようにお金のやりくりをするのかを含めて考えなければ無責任と言えるでしょう。ただ行政側に「継続しなさい!どうやるかは考えなさい!」・…この一件についてはそのような態度を議会がとることは出来ないと私自身は考えます。
 厚生産業常任委員会では今までの経過も含めて、きちんとこの問題を捉えたいと考えて「継続」と判断したのでしょう。この対応が今のところは取るべき道としてよかったと思います。

 陳情の審査結果について、他の会派とのやりとりのなかで、どのように決まっていくのかと気がかりだったので、ホッとしました。

投稿者 hisaka : 2004年06月10日

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