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2004年05月30日

「偉い」と思い慣れないこと

朝日新聞で掲載されている養老猛司さんのインタビュー記事「若い人たちの仕事選び」を読みました。
 「自分も変わる。大まかな方向さえ見えればいい」とつけられた見出しになるほどなと納得をしました。養老さんによれば、「若い人は、いまの自分がずっと変わらないと思い込みがち。」なのです。
 ご存知の通り『バカの壁』は爆発的に売れました。なぜ、この本が売れるんだろうと思いましたが、そのくらい、みんなが無意識のうちに「息苦しい」キチントさの中で暮らしているんだろうなと思いました。『バカの壁』をさらっと目を通して、この本は当たり前のことを言っていると言うのが私の感想でした。ゆったり構えることは大事さを確認したことは確かです。
 養老さんは、彼の周りに「自分は賢い」とか「偉い」と思い慣れていて、自分が弱い、無知な部分はいっぱいあるということに気づいていない人が多かったことが『バカの壁』を執筆する動機だったそうです。
 こんなにベストセラーになることを最初から予想はしていなかったのだと思いますが、見事に私たち一人一人が抱えている窮屈さを捉えたからこそ『バカの壁』ブームが起きたのでしょう。しかしながら、この本が放った効果がどう表れてくるのかなと思います。

 以前よりは変ってきたと思いますが、まだまだ「人気な優良企業」は若者に人気です。就職活動の話などを聞いてもそう思います。一方で若い人たちの「フリーター」が増えていて、もちろん失業して…という場合もありますが、みんなが本当に自分に合った仕事を探しつづけている、好きなことを探し続けているような印象もあります。
 そんな状況を捉えてかはわかりませんが、「どんな仕事にもある期間の集合は必要です。技術の習得には時間とお金がかかるもの。仕事に我慢の時期はつきものです。」と養老さんは指摘しています。私たち世代の「フリーター」は「大まかな方向性」を見ないままに我慢をすることをしていないのかなとインタビュー記事を読みながら考えました。

 今朝の新聞では参議院選挙に対する関心も低下していると世論調査がありました。私たちが自分の「大まかな方向性」を見る時に、やはり社会制度ってとても大事だと思いますが、そうは言ってもなかなかその重要性を伝える力量を持てていないのが今の政治です。それは現職議員が「偉い」と思い慣れている人たちが多くて、「任せて下さい」という意識が強い人たちが多いということなのでしょうか。
 そんなことを考えさせられた昼下がりでした。今週末は議会に向けた最終準備で終わりました。

投稿者 hisaka : 2004年05月30日

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