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2004年05月14日

三市収益事業組合とは

 多摩市は稲城市とあきる野市ともに一部事務組合方式で収益事業を行なっています。たぶんほとんどの市民はこのことを知らないと思います。私も議員になってから初めて知りましたし、今日は議員研修ということで江戸川競走場の視察をしたのでした。
 三市収益事業組合は何をしているかといえば、いわゆる競艇の事業を行なっているのです。競艇を開催し、そこで得た収益はの一部が三市に配当される仕組みです。
 近年は、経済の状況も大きく影響をして昨年度決算では配当金が2千万円でした。一番多かったときには何と配当金が150億円もありました。目が飛び出るほどの金額ですが、一体これはどこに、何に消えてしまったのでしょうか?これは平成3年ころの話ですから、まさにバブルそのもの。正直、私はため息すら出ません。
 配当金について、議長からは「今は、非常に厳しいけれど、かつては‘まちづくり’に大いに貢献してきた部分がある。」との話がありました。確かに絶頂時期には150億円もの配当が多摩市にどっかりと入ってきたので、何らかに使われた事は確かですし、それは当時‘まちづくり’にも多大な役割を果たしたのかもしれませんが、しかし、私は「ちっとも感謝できないわ!」というのが正直な気持ちです。みんなで夢を見ていた時代の片鱗がここにも表われています。
 とにかく毎年毎年売上が厳しい状況で、現在は金額だけ見れば、この収益事業が始まった昭和49年、50年頃と同じほどですが、考慮しなければならないのは物価指数などのこと。当時との貨幣価値が違いますから、より現在のほうが深刻である…ことはまちがいなしなのです。
 江戸川競艇にはもう一つ六市競艇事業組合主催のレースもありますので、現在は合同でレースの実施をする等工夫をしながら、組合自身の経営健全化を目指しているとの話でした。平成11年には450から460人ほどいた従事員(従業員のこと)が現在では251名と大幅なリストラに取組んだことや、場外レース中継なども手がけながら、何とか収益増を図っていきたいとのことでした。
 このモーターボート競走の売上金の流れですが、収益の75%は払戻金、残りの25%の中が施設の運営費、また配当金にとなるわけですが…この25%の中で配当金として確保出来る割合と言えば全ての必要経費を除いた部分で大体25%×0.27%くらいしかありません。残りが全部開催などの運営経費かといえばそうではなく、3.3%は日本船舶振興会へ、それからモーターボート競走会と公営企業金融公庫へそれぞれ1.2%は納める仕組みなのです。
 となれば・…ピーク時に配当金が150億円あった時代・…紙幣が舞って舞って仕方ない・・・みたいな社会光景が目に浮かびます。それで何をしてきたのかなと思います。

 さて、一通りの説明を聞いた後、場内の案内を受けました。ちょうどレース開催に合わせて視察を組んだこともあり、お客さんがたくさんいました。ほとんど男性でした。かっちりスーツ姿の人も見受けられました。競馬は女性にも人気が出てきましたが、競艇は女性には全く人気がないと思われます。しかしレース出場者には女性がいます。今日の視察参加者は15名ほどでしたが、私たちがゾロゾロ歩いているのは非常に浮いた光景で、違和感がありました。稀有な眼で見られていた事は確かです。私にとっても落ちつかない場所でした。
 案内係の若い女性が二人、赤い制服を来て立っていました。このように案内役(コンパニオンですね)を配置したのも江戸川競走場が初めての試みだそうです。これも一種の工夫と言っていました。私はこの二人の姿に何となくほっとしました。
 私たちはその後特別席に案内されました。一般の人にも指定席があるそうですが、そこに行くためには別途2000円支払うのだそうです。私たちが案内してもらった貴賓席がこれまたすごい…居心地の悪い場所でした。それまで通ってきた場所とは全く異空間。見た目豪華で、バブリーな社長室のよう。これにもまた、カルチャーショックでした。何とも言えない気持ちでした。多摩市の市長室よりも豪華な作りです。これもバブルの恩恵かと思いました。「ビップなお客」になってしまった自分に恥ずかしさを感じました。ここで競艇を見たとしても、本当の‘にぎわい’は感じられないし、わからないと思いました。
 きっと競走場の雰囲気はその時代時代とともに変化していると考えるからです。ここの部屋に居て、観戦をするのではなく、他のお客と混じって観戦しなければ、競艇をとりまく時代環境を知る事が出来ないように思いました。

 いずれにしても、私にとってはいい社会勉強でした。競艇場に足を運ぶのはこんな機会でもなければなかったと思うからです。
 ここに足を運ぶ事を愉しみとする人がいることを無視してはならないと感じた事は確かです

投稿者 hisaka : 2004年05月14日

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