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2004年05月12日

国分寺市の市民参加は?

 あれこれフォーラムで「まちづくり条例」をテーマに学習会を開催しました。4月に東京ネットの学習会でもお招きした国分寺市の職員(鎌倉市から出向中)の松本さんから話を聞きました。私は2度目ということで、前よりも理解が深まったように思いました。
 この条例はいかに実効性を持たせるのか?・・・理念条例ではなく、具体的に義務規定などを設けながら、またそれに見合って規定違反が発生した時には罰則も課すという制度設計をする必要がありますが、一自治体としてどこまでの創意工夫ができるかが勝負だなと思います。
 「全ては市役所の覚悟」と言うように、やはり法律と条例の抵触問題は常に意識をしながらも自治体の立法権を生かすかたちとなるわけですが、「法律の範囲内」を意識しすぎれば条例の有効性が薄まってしまいます。地方分権時代とは言え、当然ですが、法律ありきで物事が動き、自治体の本来的に欠かせない自主権が認められているとは言い難い状況の中では条例制定範囲の設定がものすごく微妙であります。そのことをまたしても痛感させられた次第です。
 しかしながら、それぞれに自治体ごとに、このような出来るだけギリギリの枠一杯で自主裁量を生かせるような「まちづくり条例」を制定する事で、国の考え方も変えていくことが必要だとの松本さんの認識でした。私もそこには同感ですが、気が遠くなるような気長さが求められるような話。それでもやはり「自分たちのまちづくり」を標榜するのならば、市民とともに「自分たちのまち」の制度設計をしていく事は不可欠でしょう。

 条例は発展します。もちろん前例があれば見習いますが、どんどんと知恵や工夫を講じて、より実効性高いものへとレベルアップしていくのです。国分寺市の場合も他自治体の例を見ながら、自分たちのオリジナリティを加えていったとのことでした。
 多摩市は国分寺市などを追いかけるかたちになりますし、その意味では市民というよりはむしろ担当者の高いスキルが求められるのだと思いました。いろいろと他の自治体に学びながら、多摩市としてどうしていけばいいのか?を意識して考えていくのでしょう。

 ところで、私が今日の話でもっとも驚いた事ですが・・・・。なんと国分寺市では庁内の会議まで全て市民にオープンされているそうです。これには一瞬、今日の参加者から苦笑いもあり、驚嘆の声が。「これには一長一短ありますけれど」と松本さんはおっしゃっていましたが、それにしても市長をトップとした部長会議を市民が傍聴出来るとはかなり思いきった取組みです。おそらくこれは市長の決断でしょう。会議を公開しているから、透明性が高くて開かれている…と即断していいとは思いませんが、その意欲は大いに評価できます。
 なぜ、そのようなことが出来たのかについて、いずれ国分寺市民の方にヒアリングをしなくてはなりません。これが、今日一番の収穫でした。

投稿者 hisaka : 2004年05月12日

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