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2004年05月11日

どこにあるの?スロープとエレベーターを探せ!

 交通バリアフリー法が施行され、随分と建物や道路など公共施設のみならず、バリアフリー化が進んでいます。
 ネットでは時々、バリアチェックというのをやっていて、主要駅を中心に実際にハンディのある市民の方の協力を得ながら、点検をしています。今日は多摩センター駅周辺を再点検しました。手押しの車イスを借りてきて一人が乗車体験をしながら、それから電動車イスを使用してる市民の方とともに約2時間ほど京王と小田急、モノレールの駅とその周辺を回りました。

 多摩センター駅はとにかくサイン計画がなっていないと指摘されます。つまり案内板のことですが、やはり今日も最も気になったことは案内掲示の方法です。特にモノレールの駅は最近になって(といってもずいぶん経つけれど)できたものなので、モノレールの多摩センター駅を初めて降りた人にとっては非常にわかりにくい駅前になっています。
 特にパルテノン多摩は死角になっていて、駅を降りたってもどこからも見えないのです。少し歩いたところに案内板がありますが、正直車イス使用者にとっては案内板が目の位置よりも少々高いところにあり、親切とは言えません。おまけに、モノレールから降りた時、気が遠くなるほどのペデストリィアンデッキ。ここがまた不便で、すべてスロープでつながっているわけではなく、ところによっては階段で行き止まりというところもあります。そんな時、周辺に詳しければいいわけですが、よくわからないで不安になった時にはひき返してしまうのではないか?とのアドバイスをもらいました。
 案内板にはペデストリィアンデッキの構造が階段部分、スロープの箇所、エレベーターの位置が詳細に書いてあるわけではなく、不便です。モノレールの駅から京王、小田急の駅側に歩いてみると、特にそのことがわかります。エレベーターの位置もスロープの位置もわかりません。「行ってみない」とどうしようもない…という状況です。誰にとってもわかりやすい表示を臨みます。それこそせっかくのキティちゃんキャラクターで何とかならないものかと感じます。
 さらに、モノレールの駅ですが、駅の改札まで登るためのエレベーターは奥まったところにあります。しかも表示がわかりにくいところにあり、掲示看板のつける位置を間違えたのではないかと思うほどです。一応の張り紙はありますが、やはり車イス使用者の目の高さを考慮しているわけではありません。私たちもベビーカーを押す女性が出てきたのを見て、「あーあそこにあるんだな。」と気がついたのでした。
 
 エレベーターといえば、小田急の駅のエレベーターは非常に優れものでした。エレベーターの扉がどちらも開くようになっていて、入口と出口で別々の扉が開きます。入ったままの状態で出ることが出来るのです。そしてエレベーターのボタンなども視覚障害者用に文字などが浮き出ているので、点字を触らなくてもボタンが押せます。このエレベーターには一同感激をし、また市民の方も「使いやすい」と太鼓判でした。
 小田急はバリアフリー対策に力を入れているのでしょうか?障害者用の案内版(触知図と言います)、また聴覚障害者のために駅員窓口には筆談できます…との掲示と器具の設置してあります。「耳マーク」がついていました。非常に配慮が行き届いています。
 一方で、京王線は…と言えば、これは駅の構造状で致し方ないかもしれませんが、ホームに上がるためには駅員さんを呼び出さなければなりません。駅地下に行くのは自由で、使用者も多そうでしたが、ホームに行くには切符も買わなくてはならないし、いちいち駅員さんを呼ばねばならず不便です。これは改札に降りる時も同様です。
 今日のように晴れの日には私たちが訪れた午後過ぎまでにも既に7~8件の対応をしているし、またパルテノン多摩などで催しがある時にはそれこそ駅員さんもてんてこ舞いになることもあるとか。これはどうしようもない・・・けれども何とかしたいところです。

 一方、駅地下から改札階まで上がる時の話ですが、特に北口側は道路も狭く、車から車イスの乗降をするためには一定時間を要するのですが、その駐車スペースが確保されていません。ちょうど、改札階に上がるためのエレベーターの付近に、業務用車のスペースがありますが、このようなスペースを使用できたら便利だなと感じます。「関係者以外駐車禁止」と書かれてしまっては、躊躇してしまいます。多摩センター駅はそうでなくても車の送迎スペースが上手く確保出来ない事が悩みですが、それ以上に車イスの乗降スペースを整備することは大事かなと思います。
 
 とにかく、今日は特に車イス使用者の視点でチェックをしたのですが、まだまだ「障害を持つ人が道路の真ん中」を歩けるような構造とはかけ離れ、むしろ全くその反対で、「遠回りコース」設計になっているのが現状です。今から構造そのものをすべて変更することは出来ない変わりに「案内掲示」の工夫をしてもらいたいものです。
 初めて多摩センターに降りた、特に障害のある人たちにとっては不安な‘まち’です。しかしながら、車イスを押していたりすると「ドア開けましょうか?」と声をかけてくれる人は、ドアを開いて待ってくれる人がいて、温かみを感じました。

 それにしても電動車イスでなければパルテノン多摩までスロープ使用で行くのも一仕事です。ここはどうにか事前にアナウンスをして駅からの「お迎えサービス」みたいな工夫ができたらなあと思うところです。
 今日は一味違った多摩センター駅周辺の散策をしました。「視点を変えて」さまざまなことに当たって見る事はとても大事です。ちょっと気分を変えて歩いてみると、見えてこなかったことが見えてきました。

 多摩センターに限らず、何か気がついた事があればぜひお知らせください!

投稿者 hisaka : 2004年05月11日

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