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2004年03月22日

巨大マンションの行方は?

 建設環境常任委員会を傍聴しました。何しろ多摩市が始まっての一大事、巨大マンション計画に対して住民からの陳情が提出されていて、これに対する審査が行なわれるからです。午前中は委員の現地視察をしたようです。

 今日の委員会では容器包装リサイクル法改正に向けての意見書を国に提出することを求める陳情(これは一生懸命署名集めをしました。)も全員一致で採択されました。このごみ問題と絡めてですが、もう一つゴミの有料化について全市民的な議論をして欲しい主旨の陳情もありましたが、こちらは継続となりました。ゴミの有料化については、現在審議会に諮問中であると言うことでは議会としての結論を出す時期ではないとの理由からです。
 そのヤリトリの中での部長が「ゴミを減量しなければならない。だけど清掃工場の効率から考えればゴミがなくてはならない。この2つの相反する課題を抱えている。」との発言が。何でも焼却炉の温度を高音に保ちつづけるためには一定量のゴミが必要で、ゴミを減量することによって温度が保てなければ、要は、高温にするために熱を購入しなければならないと言うわけです。
 そもそも稼動2年過ぎのまだまだ新しい清掃工場。ゴミ減量化時代を見据えた造りではないの?と私も驚きです。性能はものすごくいいようですが、その性能の良さを発揮するためには一定量のゴミが必要。・・・でも家庭系のゴミは減量傾向にある…となればプラスチックを燃やすことも考える(今でも一部焼却しているが)という風につながるのでしょか?ちょっとあんまりの発言に思わず傍聴者からも「落胆」のため息が聞こえました。

 さて大型マンションの問題ですが、建設現場の連光寺地区とマンション建設により日照権など居住環境が悪化すると思われる関戸地区の住民の方がたくさん傍聴にいらっしゃいました。
 陳情ではマンションの高さを「20階から10階へ」下げるように事業者に指導して欲しいという内容でした。陳情などの審査をする時には「文面通り忠実に」というのが大原則なので、「20階から10階」という風に限定的に書かれているところは審査をする上で少々ひっかかる部分でもありました。もちろん気持ちはわかりますが、事業者としては法的には何も違反をしていないわけで、議会としての判断をするにも後々問われる部分かなと思ったからです。

 私たちの会派でもどうすべきかを迷う面もありましたが、現状として、とにかく事業者が住民との話合いに応じる姿勢に欠けていて、非常に不誠実であること。行政も市長名により事業者に対して何度となく働きかけ、住民との協議の場をちゃんと設けることを要請しているにも関わらず事業者の回答がないこと。これらの経過を踏まえれば、確かに高さを10階へという陳情の文面通りに受けとめた審査は難しいけれど、この陳情を採択して、議会としての態度をしっかり示すべきだと判断をしていました。よく用いる「趣旨採択」だけは避けたいと考えていました。

 行政側からは先週の金曜日づけで事業者に対して再度通知書を出し、住民との協議を誠実に行うことなど要請をしていて、その回答期限を今月30日にしているとの説明がありました。
 議会には水面下で事業者の回答を待つという選択肢もあり、その回答を待ってから陳情の審査をしてもいいのではないか?という意見もあるようでしたが、会派では仮に今日結論を出すのではなく、「継続審査」にするのならば、30日の事業者側の態度を見て直後に委員会を開催し、さらに臨時議会を召集することが条件にしようと決めていました。もし閉会中の審査になり、委員会としては4月中にでも結論が出たとしても、本会議でなければ最終確定とは言えません。通常のままだと本会議ともなれば6月になってしまうので、それはいかがなものか?むしろ議会の態度が問われると考えたからでした。
 結局はさまざま質疑がかわされた後で、全委員とも採択。もちろん「10階」というところでは、後に法律に関わる議会の見解を問われないようにしなければなりませんが、どの委員の討論を聞いていても「事業者の態度の不誠実さ」を問題にしていたように思います。行政の事業者に対する働きかけ、行政が何とか手を尽くそうとしている努力も一定の明らかになりました。それにしても、さまざまな経過の中で悪い方向に事が進んでいることがわかりました。そしてやはり財産権重視、所有者第一主義にて成文化されている法律の欠陥も明らかにされたように思います。「まちづくり」という視点が希薄な法律で、「居住福祉」の発想に立たないからこそ、このような紛争が発生していると考えます。

 今後、どのように動いていくのかを注視したいと思います。昨日の傍聴席には事業者もいたそうで、会議の録音をしていました。(事前に申請があれば録音出来るのです。)30日の回答期限までに事業者はどう結論を出すでしょうか?行政も、議会も、そしてもちろん住民も気が気ではないという状況でしょう。
 お隣の府中では20階以上の建設計画が周辺住民の反対もあり、10階程度に高さを押さえたとの事例もあるそうです。ここは事業者の在り方が問われています。どんな態度を示してくれるのかがまずは第1関門です。

☆関戸の街を考える会☆のホームページはこちら↓
 http://www5f.biglobe.ne.jp/~yosshii-y/sekido/index.htm

投稿者 hisaka : 2004年03月22日

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