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2004年03月06日

ひとつの答えを見つけようとはしない

  普段、あまり接点のない生活クラブ生協の組合員の集会に行き、「市議会の情報」として10分間ほど話しをする時間をもらいました。やっぱり、一番大きいことといえば「行財政改革」。これは多摩市だけではなく、どこの自治体でも抱えている課題です。結局何が大事なのかと考えた時、私自身は「一人一人がもう一度自分たちの暮らし方を見なおしてみる」ことだと思っているので、そのことが伝わっていればいいなあと思います。「話しを聞くことが出来たよかったわ。」との感想がもらえたことはうれしいことでした。

 今日は午後から東京ネットの学習会に行く予定でしたが、豊島区で自治基本条例を考えるフォーラムがあったのでそちらに足を運びました。12月に議案として出された条例案の審議も大詰めを迎えているので、出来る限りで情報を集めたいと思ったからです。既に制定されているものが10数例あるので、今から策定しようとする自治体では先進事例の研究を必ず行うわけです。その中から論点なども整理されてきます。今日も改めて論点が再確認されたとともに新しい視点をもらった気がします。

 自治基本条例の中で多摩市でも議論に上がっていることにコミュニティの位置づけがあります。コミュニティとはゆるやかに、そして自主的に人々が集う場所かな?と思いますが、その定義はまだ学説上でも定まっていません。多摩市の政策ではコミュニティセンターがありますが、区域ごとに線引きがあり施設が整備されている気がするので私は疑問です。
 今、大きな論点となっているのは町内会や自治会、ニュータウン地域であれば管理組合ということになりますが、歴史のある古くからの地域組織の役割をどう捉えて、自治基本条例に位置付けるのか?ということだと思います。市議会の中でもテーマコミュニティとの違いを鮮明にするべきだという意見もあります。けれども大半は地縁でつながっている組織も知縁でのテーマコミュニティなども含めて大きく括るというのが方向です。そしてそのコミュニティに政府部門がどう関わっていくのかが焦点になります。つまり、政府部門は自主的な集いであるコミュニティに口出しをしすぎる構造をつくることは自治基本条例の精神に反します。コミュニティの多様性を認め、そこと‘まちづくり’との関係性を地域ごとに整理することが求められます。でも、なかなか答えが見つからないわけです。
 豊島区の場合にも自治会・町内会組織で各々の活動には温度差があること、そして三鷹市の事例発表者もコミュニティ行政の在り方が問われている(三鷹市はコミュニティ行政でとても有名)実態が報告され、自治基本条例に地縁組織に一目を置くことは難しいだろうとの見解が示されました。

 会場にいらしていた町内会の会長さんの発言は、そのことを受けてなのか、何しろ今、町内会にも若い人たちがなかなか加入しないけれど、「地域を良くする」という気持ちはきっとお互いに理解しあえるだろうし、「まずは町内会に入ってもらいたい。そして一緒に町を良くしていけばいい。」と主張されていました。なるほど、そういう考えもあるなと思いましたが、そもそも問題なのは「入りたいな!という気持ちになれない。」ことです。その動機づけをなかなか見出せないという現状をどう変えていけるのか?は町内会の大きな課題だと思うのですが、「食わず嫌いはやめてもらいたい!」とちょっと私にも耳の痛い発言でした。

 報告者の発言の中で「レベルの高い自治体」という言葉がありました。それに対して「レベルの高い自治体って何か?どう考えますか?」との質問が出ました。それに対する回答で「『それ、面白いね!』って言える人がたくさんいるところ」…相手の意見を聞き、自分のことも主張する、「相手をよく知ること」で相手がクレーマーか現状を変えようとしているのかはわかる、中に飛び込めば必ず信頼が生まれるとの話があったように、みんなが相手の主張にオモシロがれるセンスを持つことだと思います。
 いつもひとつの答えだけを見つけようとするのではなく、いろいろと変化することに対し、柔軟にいられることがみんなで‘まちづくり’をする秘訣だと思います。

投稿者 hisaka : 2004年03月06日

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