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2004年03月05日

結果を出すまでの時間はかかる・・・・

 初日からの一般質問は終了。今回も議長を除く25名の議員が質問を行ないました。全議員が一般質問をする議会は珍しいそうです。特に人口が多ければ、その分議員数も多くなるので、全議員が行うというのは難しいのかもしれません。23区で議員をしている人と話をするとうらやましがられます。

 今日の質問では「市立幼稚園問題」が採り上げられ、行政側とかなり突っ込んだやりとりが繰り広げられました。この問題は白書が出される前から廃止か存続をめぐっては当事者を中心にして不安が広げていましたが、昨年の白書で廃止の方向性、そしてプランで2年後に廃止が決定しています。
 幼稚園の関係者にとっては、白書では3年以内に廃止の方向であったものが、プランでは一年前倒しになったことで、朝日新聞でも時折報道されたように、「市の説明責任をまずは問いたい。」とのことで存続を望む立場から市の方針を撤回を目指した署名活動を続けてきました。私も保護者の方たちと話をして、この件についての行政の対応には不十分な点がありすぎると感じてきました。少子化が進む中で公立幼稚園が必要かどうかという議論は別問題として、今回の行政のやりかたには疑問です。

 さらには、教育委員会とのあり方についてもです。教育委員会は市長部局とは独立しています。まさに幼児教育は教育委員会の中で大きな方針が決まるべきで、それに対して市長部局が握っている財政権との調整を講じていくのが流れなはずです。でも今回の場合は、その道筋についても「財政危機ありき」で語られ、市長部局主導で物事が決定していった感があります。
 教育委員会の形骸化が言われていますが、その傾向は多摩市も例に漏れずなのかなと感じます。例えば給食食器問題しかりです。教育委員会と市長部局の関係性をどう作っていくのかは本当に大きな課題だと思います。財政を市長が握っている限りは、本当に意味での独立はあり得ないのかもしれません。(法律的な欠陥だと感じます。)

 質問者も「もっときちんと協議の場所を設けるべき」とのことを主張していましたが保護者、教育委員会、市長部局とが集って、ちゃんと議論をしてもらいたいと思います。合意形成のはかり方さえ間違わなければ廃止をするせよ、当事者の気持ちが違ってくるのだと思います。もちろん全員が廃止を容認するわけでないかもしれません。いつでもみんなが大賛成ということはあり得ません。しかしながら、誠意を持って現状を伝えるという姿勢は重要でしょう。
 今日は市長が立ち(保護者説明会の中で)「『じゃあ、17年度末廃止ではなく、18年度ならいいんですか?』と問いかけましたが、これについても保護者の答えは『NO』でした。だから判断しました」と答弁をしましたが、これについても傍聴に来ていた関係者や実際にその場にいた議員に聞いてみても「そんなこと聞いていなかった」と言っています。私は現場にいたわけではないので、「言った」「言わない」の判断もできませんが、とにかく当事者との意思疎通が全く図られていないことだけはわかるので、非常にまずいなあと思います。
 もしかすると結果は変わらないかもしれません。でもどうやって結果までたどり着いたのか?というプロセスの在り方がこれからの‘まちづくり’で最も問われる部分です。それが私の考えです。「思い通りにはならなかったけれど、でも納得できる。」という風にていねいに市民との対話を積み重ねて欲しいと思います。とても難しいことで理想論だと言われるかもしれません。それでも私は市民協働とか新しい公共を全面的に打ち上げている市にとって必要不可欠なことだと思うのです。

 今日の質問者は「急がば回れ」と言っていましたが、私も同感でした。

投稿者 hisaka : 2004年03月05日

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