« 昨日の反省会 | メイン | 結果を出すまでの時間はかかる・・・・ »

2004年03月04日

子育て・子育ちに本当に力を入れるの?

 昨日の帰宅は深夜1時ということもあり、とにかく睡魔との戦いの一日。一般質問は自分の発言が終了してしまうと、あとはじっと自席に座っているのみ…なので、結構辛いです。目が覚まされるような質疑答弁が繰り返されることを期待して止みません。市議会ウオッチングのグループのメンバーは連日、眼を光らせて傍聴席に座っているのですが、その熱心さには頭が下がります。市議会ウオッチングが作成するニュースについては私も少々意見を言いたいところもありますが、定期的に発行されている議会に対する批判はまずは「ありがたく」受けとめなくてはなりません。

 さて、今日は初日の施政方針に関する質疑が多くありました。特に今後、高齢化を迎える中であっても、「子育て・子育ち施策」の力を入れていくのが方針です。しかしこれは何も多摩市だけの特色というよりは国全体における少子化対策です。1月に財政の学習会に行った時、手に入れた総務省からの文書でも「活力ある経済社会の実現に向けた」4分野が示されていてそこには重点的でかつ効率的な配分を行うことと書いてあります。ちなみに4分野とは①人間力の向上・発揮-教育・文化-科学技術、IT②個性と工夫に満ちた都市と地方③公平で安心な高齢化社会・少子化対策④循環型社会の構築・地球環境問題への対応。要は国の方針に基づいていると考えていいわけです。きっと多摩市のニーズ優先というよりも…だと私は思っているのです。

 となれば、よっぽど「子育て・子育ち施策」の魅力を高めていかなければ、結局は近隣と似たり寄ったりになることは目に見えています。新しくできる子育て家庭支援センターについても同じです。新しい機関が設置されることには歓迎します。ファミリーサポートの機能や産後ヘルパー支援のことでも新たな機能なので期待ができるかもしれません。でも、私は何となくですが、バブル時代には次々と文化ホールやスポーツ施設の建設ラッシュが続いて、自治体がこぞって豪華ハコモノに力を入れた時代のことと重なってしまいます。つまり種類が変わっただけのように思えてならないのです。
 近隣自治体の同様の施設にも足を運んでみましたが、この施設ができればいいというわけではなく、本当はもっと大事なことがあるんじゃないかという気もしていました。当然、子育て経験がない私でははかりきれない部分が多いと思うのですが、同じ税金をかけるとしたら…どうするのがいいのか?考えさせられる部分です。
 
 市のあらゆる政策には横つながりが必要です。例えば子育て・子育ちと多摩センターをリンクさせてみたら…とも思います。それに、民間活力導入という面では、今ままでは行政の仕事だった分野にも民間参入していく方向性ですが、それでも行政として確保しなければならない、いわゆるセーフティネットですが、その受け皿に対する認識の具体化などを早期に構築する必要があるでしょう。
 とりわけ子どもをはじめとする福祉の分野には柱が必要でしょう。そしてその柱が何か?が一番に問われているところです。でも、今日の質疑の中でもいくら聞いても「柱」が見えてこないのが不安です。
 
 ある議員さんは「中途半端な子育て支援センターをつくるのか?」という厳しい指摘とともに第三者評価の必要性と早期の実現についての市の認識を問う場面がありましたが、これに対してはものすごくか細く、後ろ向きなトーンで「・…慎重にやってまいります。」
 本当にやる気があるんだろうか?積極性がまったく見えないなんて残念な話です。市として重点施策として示しているのであれば、もっと前向きにアグレッシブに取り組んでもらいたいと誰もが思ったに違いありません。勢いが感じられない答弁にはがっかりでした。

 公立幼稚園の廃止の問題でも物議を醸し出しています。なぜ廃止をするのかについて当事者に納得のいく説明ができていない現状のようです。署名が約3万筆も集り、議会にも「廃止の方向を(一旦)撤回してもらいたい」との陳情が提出されています。この問題にしても、要は、行政としてのきちんとした柱やビジョンが示しきれていないところに原因があると思っています。「子育て」に力を入れるといっているのに、なぜ公立幼稚園を廃止するのか…という主張は一理ありだと思います。

 ふわふわと物事が流れていっているような気がしてなりません。それは行政側の答弁の仕方に起因することで、本当はもっとちゃんとしたビジョンなりがあるやもしれませんが、「真剣味」が伝わらないのです。それはどうしてなのか?と思います。逆に言えば、議員の「真剣味」が行政に伝わっていないということなのでしょうか?息苦しさを覚える空気漂う議場です。

投稿者 hisaka : 2004年03月04日

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
/640