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2004年02月22日

みんなで少しずつ考え合うこと

 三多摩自治体学校が土日で開催されました。これは色々な自治体の持ち回りで行なわれている企画です。実は昨年、府中での開催の際「自治基本条例」の分科会がで発言者としての参加を依頼されたのですが、ちょうど別の予定と重なっていたのでお断りしたという経緯があります。来年は多摩市ですので、ぜひ協力を!というのがきっかけで今年の開催のお手伝いをしました。正直、ほとんど中心になって手伝いをしたわけではなく、他のメンバーに頼りっぱなしでしたが…。
 しかしながら、今日2日目の第一部で司会をお願いね!と頼まれてしまったのでお引き受けをしました。すっかり準備については司会原稿などが用意してあるとばかり思っていたのですが、それは大きな間違いでした。朝、打ち合せをして、はじめて「えっ、原稿ないの?…」と非常に驚き、焦りました。
 今日のプログラムのメンイは午後からの分科会でした。まちのさまざまな課題をそれぞれ少人数のグループで共有しあいながら議論しようというものです。全部で子育て教育・まちづくり・地方財政・地域産業・憲法と地方自治という5分科会がありました。第一部ではなんと各分科会ではどんなことを行なうのかの導入として、それぞれアドバイザーとしてお招きした有識者の方々から短いプレゼンテーションをしてもらうというものでした。つまり私に課せられた役割は、ただ単なる司会ではない…という重大事実を本番直前に認識したということです。しかしながら、今更断るわけにもいきません。「安易だったわ…」と思いつつ、司会に臨みましたが、大きなミスもなく、無難に終了できてほっとしました。何せ、タイムキーパーの役目も同時にしながら進行役をするという新たな経験をしました。アドバイザーの方やフロアからの質問者の発言を途中で冷たく制するのは苦手で難しい技が要求されることを実感しました。結局予定のタイムテーブルよりも大幅な時間を遅らせて終了…となりました。

 私は「まちづくり」という分科会の担当でした。この分科会ではマンション紛争など景観問題について、また団地建替え問題などを事例としながら、どうやったら自分たちの臨み描く住空間をつくりだせるのかについて意見交換などをしました。今、全国でも「まちづくり条例」の制定を進める自治体が多いです。多摩市でも来年度予算の中では「まちづくり条例」の検討をする準備会が立ちあがる予定になっています。
 この「まちづくり条例」の問題は一度一般質問で採り上げたテーマですが、その際には「自治基本条例が制定され次第…」ということで答弁がもらえていた気がします。ニュータウンの建替え、またニュータウン地域の公団所有の土地売却の問題、その他の地域でも大型マンション建設問題などなど住民との合意形成、協議をどう進めていくのかという問題を解決するためにはやはりきちんとそのプロセスをルール化しておく必要があります。いよいよ自治基本条例が制定されるか…とにらんで、「まちづくり条例」の制定を一気に進めていくのだと思います。
 新しい大型建物建築は特に周辺環境との調和、周辺住民との協議などが求められます。しかしながら、土地所有者本位、経済活動主導型で進められてきた今までのまちづくり活動では周辺住民との合意形成の面は軽視されてきたように思います。法律さえ守れば、あとはいい・…というわけで、道義的な責任はあまり強く問われてこなかったとも言えます。しかしながら、これからの時代は違います。国立市でのマンション紛争などに一連の動きでも、時代の変化を少しは感じるからです。「豊かに生きる」ということの中味の変質がさまざまな社会ルールの変更にもつながっていくのです。そのことを考えさせられる分科会でした。

 さて、私はこのような自治体学校の取組みは面白いなと思いました。なによりもさまざま個別テーマに関心のある市民が集まってくるからです。まちづくりの課題はさまざまありますが、わりと個別テーマごとに活動が進んでいき横のつながりが持てていないという現状があります。このような会を持つことで、それぞれの専門分野を持つ市民同士の横のネットワークができていくことは、個々のテーマにおける地域での活動がより豊かになると思うからです。つまり基盤できるということです。
 さまざまな個別活動に横つながりとつくれば百人力になるのではないかと思いました。終わった後の交流会には出られずに残念でしたが、このような会が継続させていくことがなによりも大事なことでしょう。

投稿者 hisaka : 2004年02月22日

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