« 大和市の自治基本条例のつくり方 | メイン | なかなか振り向かれない。 »

2004年02月08日

知らされないからわからないこと

 「知らぬが仏」という言葉があります。言い得て妙だな…と思える瞬間は誰しもにあると思います。知ってしまったということの重さを感じた時、人は動くんじゃないかなと…最近そう考えるようになりました。だからこそ自分が当事者にならなければアクションにつながらないということが多いのだと思います。でも、本当は誰しも「いつ当事者になるやわからない。」そんな可能性と背中あわせに暮しているのだと思います。そこにある想像力が社会を見る様々な視点にと結びつくのかもしれません。

 
 さて。今日の夜は本当にブルーでした。緊急イラク報告ということで細井明美さんからのイラクの現状の話しを伺いました。彼女が実際に見たこと、聞いたことで私は「知ってしまった。」と強く思いました。
 とうとう自衛隊が派遣されました。日本の国際協力がどうあるべきなのか?という議論がまだ十分にはし尽くされていないこと、そしてイラクの人々が本当に必要としている支援は何か?が十分にこちらには伝わってこないこと…支援する支援されるという需給関係がやはり上手くマッチングできなければ、せっかくの支援も支援にならない場合があるわけです。さまざまメディアを通じての報道からは真相がわからないし、見えてこない部分が多い中、細井さんの現地報告は生々しく、私にとっては知ってしまった…でも今、とりたてて何も出来ない自分に罪悪感さえ覚えました。
 世論調査では政府の支持率も上昇傾向にあるし、自衛隊の派遣についても支持が増えているような報道がされるわけですが、本当にそうなのか疑問です。誰しも殺し合う、戦争…一人一人は個人の意識として決して肯定しないはずです。でも、その一人一人の思いが本当に政治に届いているのか、そして私は政治の一端に関わるものとして、一人一人の思いを汲み取って、力にと変えていけているのか?を考えたときには何とも言えない歯がゆさを感じています。

 とかく細井さんの話しを聞き、実体験に基づいた話を聞かなければわからないということを心底思い知らされ、ショックを受けたのが今日の私です。「劣化ウラン弾」の恐ろしさ。実際に細井さんも現地で被爆体験をお持ちです。
 湾岸戦争時代の劣化ウラン弾の影響が年々深刻になっているにも関わらず、それを恐らく承知で今回の戦線では前回の約7倍もの使用をしています。あまり公表はされていませんが、湾岸戦争時代のアメリカ兵士たちの子どもにはイラクの子どもと同じように白血病や欠損症の重い障害を抱え、生を受ける状況があるのです。でも、日本ではそのような事実も十分に伝わっていません。もし仮に正しい現状が伝えられていたならば、私たちは一連のイラクを巡る動きについてどう行動できたのかと考えさせられるばかりです。
 細井さんは最後に日本のマスコミは「テロ」と報道するけれど欧米のメディアでは「レジスタンス」と報道をしているという話をしてくださいました。この言葉の違い・・・私たちはある意味で大きく誤解させられている部分もありやしないかと思います。
 
 これだけ情報化時代なのに、本当に必要で、正しい情報ってどうやったら伝わるんだろうか?そのことを他物にあてはめて考えつつ、自分の情報発信の在り方についても抱える課題は大きいなあと感じたのでした。

投稿者 hisaka : 2004年02月08日

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
/615