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2004年02月07日

大和市の自治基本条例のつくり方

 夏に大和市の自治基本条例のフォーラムに行き、「住民が‘まち’のことを決める。」ということを推進するために様々な方策を考えようとしている大和市長に感激をしたわけですが、さらに今日の中間報告会でも「条例が出来たから何が変わる…ってもしかしたら変わらないかもしれませんよ。それはわからないですよ。でも、この条例はプロセスですよ。とにかく私は出来る限りPI(パブリック・インボルブメント)をして欲しいということをお願いしてきました。」との挨拶がありました。そして「ぜひともこの条例のなかには住民投票をいれてもらいたい。本当は市長として条例案を市民が作る前に注文をつけたくはなかったけれど、どうしても市民のほうから市長の意見を聞かせて欲しいという強い申し出あったのでそのことはお話をしました。」とのこと。「ここに(会場に)来ている皆さんがこの条例案を叩いて叩いてください。」
 今日の中間報告会では市民のつくる会の「条例案たたき台」が発表されたので、市長はそれを受けて会場に大きく呼び掛けをしていました。聞いてみると大和市では「新しい公共を推進する市民活動推進条例」を既に制定しており、これもまた注目をされた条例ですが、この条例も市民参加で策定したそうです。そして市長は市民が策定した案についてはほとんど行政職員、おそらく議会でもほとんど手をつけさせずにそのまま成案に結びつけたとの話でした。自治基本条例に関しても今後の動きが注目されます。

 多摩市でも同じような市民参加を呼びかけ、条例案を策定したわけですが、大きな違いは大和市のつくる会は今日発表された素案のたたき台を作るまでに130回のキャラバンを開催しているというところです。地域の自治会に出向いたり、または各地域の集会所などで条例を市民自身が市民に広げようと活動を積み重ねているところです。これが市長の言うPIという意向に沿った市民側の努力だと思いますが、そこは市長もとても高く評価をしていました。そして市長は臆することなく「本当に大和市民は民度が高いなあと感じています。」と話していました。
 
 約一時間半の条例案のたたき台の説明の後、今日の参加者を4つのグループに分けてさらなる意見交換会が行なわれました。そこには大和市議会の議員も数名いたようでした。議員はやはり「誰が最終的な責任を負うのか?」とか「PIのやり方がまだ不十分じゃないか。」とか発言をしていました。
 私はもちろん隅っこでじっと聞いていましたが、それなら議員は自分自身が活動をするにあたり、どれだけのPIに取組んでいるんだろうか聞いてみたいと思いました。私は大和市の条例をつくる会が取組んでいるキャラバンに対して議員はそれ相応の評価ができるはずだと思います。
 自治基本条例を策定する過程では、市民はもちろんのこと行政、そしてなによりも議会、議員に課される宿題がたくさんあると思います。市民が「自治」できることが最終的な目的だとすれば、そのなかに位置付けられる議会の役割も当然に変質がせまられるからです。それを見据えて議論を展開したいものです。多摩市議会でも10日の火曜日に総務常任委員会で再度議論がされることになっています。

投稿者 hisaka : 2004年02月07日

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