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2004年02月02日

行政も議会も何もできない?!

 インターン生が加わった朝遊説がスタート。いつもよりもにぎやかです。いわゆるビラ配りは簡単そうで難しいのです。冬は寒くて、ポケットに手を突っ込んでいる人が多いこと、とにかく足早に通りすぎる人が多く、さらにはやっぱりしかめっ面の人も多いのが朝。毎回様子も雰囲気も違うので正直緊張感もあり、新鮮味もあります。

 今日は午後から、建設環境常任委員会の勉強会?がありました。正式な委員会ではなく、委員同士の共通理解を深めるための集りでした。議題は現在、連光寺1丁目地区に建設されようとしているマンション問題についてです。

 多摩市でも初めての大型マンションの建設。計画では516戸で19階建ての計画です。計画地はちょうど川﨑街道沿いで向ノ岡大橋の南側の広大な土地です。
 ここは連光寺地区計画の一画にあり、もともとは土地利用計画が業務施設地区。例えば会社の本社ビルみたいな事務所など、業務施設が立地する予定でした。ところが経済状況の変化もあり、所有者は土地を手放すこととなりました。そして所有者変更とともに、 昨年に住宅・業務地区に変更しました。その際には都市計画法上の手続が必要です。私自身は前任期中は建設環境常任委員会のメンバーだったので、当時はあまり状況がよくわからなかったものの都市計画審議会で土地利用計画の変更が審議されていることなどの報告を受けた記憶があります。
 この地域では道路が狭く、まだ下水道が完備されていない唯一の場所でもあり、広大な土地の開発にあたっては、道路整備や下水道の敷設など整備が条件の中に含まれていました。つまり土地所有者は‘まちづくり’に協力をしながら開発をする義務があるということでした。もちろん、周辺には古くから住んでいる市民もいるので、住環境という面では細心の注意を払うことは当然のことでしょう。地域には地区の街づくり協議会もあり、広大な土地の土地利用計画の変更にあたっても住民合意をしっかりと取り付けなければなりません。業務施設地区から住宅・業務地区の変更については行政的な手続は踏んで行ったわけです。

 ところが、問題になっているのは…今までの話合いの中では建物についても概ね10階程度というイメージの中で進められていたようですが開発業者から住民に示されたのは19階建。その前には23階ほどだったそうで、一応は業者側も譲歩したみたいですが…。とにかく大規模で計画図を見ても「でっかい壁」が土地の形状に沿ってどーんとそびえたつ感じです。タワー状であれば少しは空間もあるので、気分的には開放感もあるかもしれませんが、類似のマンションの写真も参考に見せてもらいましたが、それこそコンクリートに圧倒され、圧迫感を覚える…というのが正直なところです。
 要するに周辺の住民にとっては「話しが違う」ということになっているのです。ところが…法律的には、それぞれ土地には高さ制限を設けていますが、それについてはクリアもしているし、何の問題もないわけで、あとは所有者本位で開発手続だけが進めば建築に着手されるという段階です。法律違反をしているわけでなければ、横やりを入れることは出来ません。実は地区計画の中でも高さについての取り決めがなく、業者側としては住民の反対があっても、調整役の行政が仲介しても、そして議会として住民の意向を汲み取ったとしても…結局は法律を遵守されている限りでは「歯が立たない」というのが現実なのです。
 そんな状況を見て住民の中には「行政のみならず議会も役立たない」という声もチラホラあがっているようで、そのことを非常に気にしている議員さんの発言がありました。その発言の中では「行政は現在の状況を、もっと住民に理解してもらえるようにすべき(つまり、法律的な観点ではある意味でどうしようもない・・・って言うことなのかなあ?)」との主張もありました。
 そもそもこの土地を巡っては色々な噂が飛び交っているのですが、事実として現在の開発業者は約40億円での土地購入を行なったとの話し。その前の業者は28億で購入したらしいのですが…。しかも、この土地譲渡が行なわれたのは土地が下落しているここ1年間の間のこと。この妙な譲渡状況についてもさまざまな憶測があり、見えないところで複雑に色々な思惑が絡みあっているようにも思います。

 一体ここの土地問題がどうなるのか?行政や議会は何が出来るのか?業者側は建設は手続が終わり次第に着手する勢いのようです。住民とは一応丁寧には今後も説明会などを進めていきたいとの説明はあるそうですが…。どうなるかはわかりませんが、もしもマンションが完成すれば新たに住まう人たちがいるわけです。私はその時のことも考えながら、この問題を見ていきたいと思っています。

投稿者 hisaka : 2004年02月02日

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