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2004年01月31日

地方自治は民主主義の学校

 午前中は多摩ネットで総会がありました。代表が世代交代したので、また少し新鮮さが生まれるかなあと思っています。色々な人が気軽に関われる政治のチャンネルが開かれていくことって大事だと思います。人が入れ替わることは新たなチャンネルが増えることにもなります。新体制になり、どんな雰囲気になっていくのか楽しみです。

 今日は午後から東京ネットでの学習会がありました。新春の集いでの講演会も含めて、自分たちが目指していく社会像、ビジョンを確認する時期がちょうど今ごろです。今日もてる峻淑子さんの話を聞きました。彼女の著書「豊かさとは何か」、「豊かさの条件」は私にとっても教科書のような本ですが、それよりも「サンタクロースって本当にいるの?」これは小学校6年生の時に何度も何度も読み返したこの本の著者も彼女であることを最近知った私は、とても感激をしました。当時は理解したくて読んでいるのに、なぜか理解できたようなできないような気分に陥ってしまう一冊で、私にとっては印象深い心の一冊とも言える本だからです。
 
 「何よりも生活実感」。「生活実感が一番に届くのは自治体だからこそ、地方自治が大切。と有名なトクヴィルの言葉「地方自治は民主主義の学校」という言葉からはじまり、2時間たっぷりと聞くことが出来ました。上記の2冊の「豊かさ」シリーズで地方自治は触れきれなかった部分だそうです。書きたかったそうですが字数オーバーになってしまったので泣く泣く削った部分でもあるようです。地方自治についての彼女の見解を聞く機会に恵まれ、ありがたいなあと思いました。

 みんなが参加をして考えるところ、生活の要求が一体どこにあるのかを考えるところ…これが自治体です。生活者の判断にはかなわない。彼女はそのことを強調していたように思います。今、政治に対して「傍観者」になっている人たちが多い状況に彼女もまた危機感を感じている一人でした。
 生活者の中から生まれてきた問題点、ここには何らかの共通の利害があるわけです、個別に抱えている問題かもしれないけれど、隣の人に話してみたら共感を得られるかもしれません。何気ない会話から生まれる人と人とのつながりで共感を広げていくこと…これはみんなで考えあう場を広げていくことにもなります。そこに彼女は地方自治を見出していました。
 特に都市では差し障りのない付き合い…あっさりというか味気ないような付き合いかたが増えているような社会、そのなかで人間関係をどうつくっていくのか…ここに地方自治を考える時の原点があるのです。

 経済学者としての立場からは「人間的なものに共鳴して動く経済活動の支配原理」・…彼女なりの明確な回答についてまで今日は聞くことが出来ませんでしたが、「ヒトというものは協力せずにいられないのです。」という言葉が私には妙に響きました。
 そして、自立するということは、自分が自分の主人公になること、そしてそのことが自分に由ることに「自由」になっていくのよ…というメッセージに同感でした。「自由」というのは簡単そうなことだけれど、実はちっとも簡単なことではないなあと私も苦戦している一人だからです。「自由である」というのはとっても難しいことだと思っています。

 すぐに実践に生かせる技術も大事だけれど、やはり政治をまっすぐに見つめていくための自分自身の視点を磨くことを忘れてはいけないとしみじみ感じました。

投稿者 hisaka : 2004年01月31日

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