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2004年01月22日

行きすぎたフェミニズム?

 久しぶりに東京ネットの女性部会に出席しました。なかなか日程が合わなかったりと出席していない間に、会を重ねているわけで、一度欠席してしまうと何となく出ていき辛さがあります。とは言え、他の地域の議員との情報交換ができるので貴重な時間でもあります。

 「女性部会」というのは、その名の通り、いわゆる男女平等という視点に立ち自治体政策の調査活動などをするところです。全国的にも‘女性バッシング’の波が広がっているようですが、東京都でも都知事の強硬な方針により「女性」施策が後退しているとネットでは評価しています。特に都知事の「ババア発言」は有名です。都の方針がどのように各地域に影響するのかについては、私ははっきりとつかめていませんが、都議の方の話では、東京都が女性財団を廃止したことなどもあり、各地域での女性施策の方向性などが大きく変わってきたということです。
 多摩市では4月の組織改正で、今まで「男女平等・市民活動推進室」が整理統合され「女性センター」部門は残るようですが、「男女平等」の言葉が消えてしまいます。これは人権の問題なので、そちらの方と一緒にしましたとの説明でした。もちろん、納得することはできません。国では「男女共同参画」部門をしっかりと独立させ、推進している状況にありますが、なぜそうなのか?について以前にもたずねたことがありますが、市のわかりやすく明解な説明は未だ聞いたことがあります。「一定程度進んできた。」らしいですが、一定程度の中味が問題なのにと思っています。
 この状況は他の自治体にもあるようで、世田谷区でも今度の組織改正により(これまでは男女とこどもが同じ部門だったそうですが)、男女平等の部門はなくなり(多分どこかに吸収され)、そのかわり「こども課」というのが独立してできるそうです。多摩市と同じです。多摩市には「こども青少年部」が設置されます。中途半端に福祉部な観点と教育委員会観点が入り混じってできる部だと私は感じていますが…。

 さて、もちろん男女平等をもっと進めていく必要があると思います。女性部会では現在、パート労働の問題でプロジェクトを立ち上げ、今、話題の年金問題についても学習会等を企画しています。特に年金問題では専業主婦の優遇、「第3号被保険者」を廃止し、個人単位の制度へとかえるべきだと主張しています。これを各地域でどうしていくか?といえば難しい面もありますが、ネットの考えでは「個人の自立」を進めるという視点にたち「女性問題」を考えようとしています。

 …とこのような意見交換などをしましたが、その中である地域の方から苦々しい話を聞きました。というのはその地域でフェミニズム運動をしているグループがあるそうですが、そのグループはとにかく行政の「女性施策」が自分たちの思っている通りに進まないからということで、とにかく批判だけをするというのです。住民運動などは一点集中型で活動をするからこそ成功する場合もありますが、特に社会の意識の底上げを図りながら…と進めなければならない活動の場合、あまりに批判や非難をしてばかりいると逆に潮が引いてしまう場合があります。その地域では女性施策について、あまりの激しい糾弾的な行政批判が飛んでくるために、残念ながら行政との距離がどんどん離れていっているというのです。それについて「行きすぎたフェミニズムと言うのか、少し形がいびつになりつつある。」と表現をしていましたが、何となく私もその状況が思い浮かび、社会の流れをどう掴み、自分たちの正しいと考えるところを主張していくのかは難しいなと思いました。その方は「女性施策は交代させたくないし、何かしらの行政に対して働きかけはしたいけれど、今、腫れ物に触るようになってしまったら…」と困った様子でした。例え、ちょっとしたリスクがあっても「あえて発言をしなければならない」時もあります。その見極めるセンスを磨かなければいけないなあと思いながら、帰りの電車を過ごしました。

投稿者 hisaka : 2004年01月22日

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