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2004年01月18日

家に閉じこもりぎみ・・・

  天気予報ほどには雪が降らなかったけれど、土曜日はとても寒すぎて、それでもどうしても行きたかった三鷹市主催の自治基本条例のフォーラムに参加してきて、そのために一日「家ごもり」をせまられてしまいました。
 
 自治基本条例がようやく議案として出てきて、本格審議が週明けから始まるので、やはり市民参画では先進的だと言われる三鷹市の動向は一件の価値ありか…と期待して、フォーラムに行ったのですが、思った通りに市内だけではなく市外からもたくさんの参加者がいました。何と、横須賀市から足を運んだ人もいる模様でした。「さすが!三鷹!」と思いました。
 多摩市でも市民主体での中間報告会を開いた時には、市民ワークショップ形式による条例の策定が全国的にも注目を浴びていたので遠くから足を運んできたという人もたくさんいました。その時の活気を懐かしく思い出してしまいました。しかしながら、そんなセンチメンタルな気分に浸っている場合ではないな…・とすぐに現実に引き戻されたのでした。というのも、三鷹市でも自治基本条例をつくろうとする動きが始まってから、途中で市長が交替しているのですが、その交替した市長から(もちろんドタバタの市長交替劇ではありませんでしたが)力強く、三鷹市の総合計画に位置付けられている自治基本条例の制定には全力を尽くしたいということ、そしてこの条例は分権の基盤として制定するわけで「自治基本条例」というからには行政のみならず議会も含めていくべきだと考えるし、その意味では議会とも協働してつくり上げていきたいが、前提にあるのは「市民の視点」に立つことだとはっきりと、恐らく三鷹市の議員さんも数名いたように思いますが、何の躊躇することなく断言に近い発言をしたことに凄みがあったからでした。

 とにかく三鷹市に行って、ちょっとしたカルチャーショックに陥ってしまいました。三鷹市の‘協働’の進め方の上手さ…歴史の積み重ねがあるからかもしれませんが、こうやって市民との協力関係が築けたらなという姿を見た気がしました。
 今回のフォーラムは行政が主催でした。けれども来月には市民主催でのフォーラムが開催されるのです。多摩市の場合だと「協働」と言えば今までは行政と市民とが一緒に行動するという面から捉えられがちだったと思います。三鷹市の場合には、(自治基本条例の制定を目指して活動をしてきている)市民たちが、行政とは独立したかたちで動くけれども、目指すところは自治基本条例の制定というところを明確にした活動を展開しようとしています。フォーラムで市民グループからの発言者がいたのですが、その方は行政は行政で市民の声を集め、自分たちも自分たちで他の人の意見を集めていきたい、そしてそれらを全て市民の声として最終的な自治基本条例案へと結びつけていきたいと言うのです。むしろ別行動をとることで、より多様に市民への広がりをつくっていきたいとしているように感じました。そのことが自治を進めていくためにも必要なことであるとの自覚が市民にも備わっているように思いました。それもそのはずでした。三鷹市では総合計画を策定する際、市民参加のワークショップ形式で行い、当時はとても斬新な手法を採用しました。そのワークショップに参加した市民の中から「自治基本条例を策定しよう」という発案があり、さらには発案したからにはそのことに責任を持ちたいと、行政が音頭をとる前から、自治基本条例の必要性を感じていた市民たちが自主的なグループを結成し、細々とでも活動をしていたというのです。この経緯を聞いて納得しました。
 三鷹市には下地があるように感じました。「隣の芝生は青い」と言うように、うらやましがっていて多摩市の実情を悲観しているばかりもいられないし、三鷹市は三鷹市で別個の課題を抱えているとは考えますが、三鷹市はやっぱり注目に値されるだけの積み重ねがあることは確信したのでした。

投稿者 hisaka : 2004年01月18日

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