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2004年01月17日

廃棄物会計の話

  午前中に参加した廃棄物会計の話を聞き、市民レベルでの活動がゴミ行政に対して放つ可能性を一層強く感じました。ゴミ問題は私たちの生活でもごく身近な問題です。税金の使い道を考える時、とてもわかりやす課題でもあるように思います。
 廃棄物会計と言うのは自治体のゴミ処理費用に一体どのくらいかかっているのか、特に容器包装リサイクル法に基づいて各自治体では一生懸命資源化に取組んでいるわけですが、そのリサイクル費用にどれだけの税金が投入されているのかを明らかにしようという試みです。リサイクルすればするほど自治体負担が重くなるわけで、実は、私たちがせっせとリサイクルに励めばゴミ問題を何とか乗りきれるというのは大きな間違いです。そのことを市民にデータとともにきちんと示し、いかにしてゴミを買わない暮らしをし、そしてそのことでゴミをつくらない社会へと変えていくことが廃棄物会計を行う一番の目的です。
 つまり、廃棄物会計は行政と市民とがともにゴミ問題を考える共通の基盤になるのです。まだまだ廃棄物会計は試行の段階で、各自治体でゴミの分別や処理方法なども異なることから、自治体ごとに横並びですぐに比較できるほどの正確性を持つまでに至っていませんが、廃棄物会計を算出するためのシート記入を各自治体にお願いし、協力を求め、その回答がどうあるかによって自治体ごとの姿勢も明らかになると言えます。ここも一つ面白いところです。多摩市の場合は資源化率については21.3%と明らかになっていますが、資源化単価、そしてそのうち自治体負担割合と事業者負担割合までをはじき出すところまでには至っていません。多摩地区では小金井市がいち早く、品目ごとの処理費用を広報で明らかにしたそうです。
 まずは情報共有から…ということで多摩市のまちづくりのキーワードのとおり、市民にゴミ処理の実態を知ってもらうため、そして「リサイクルすればいい」という暮らし方を考え直すためにも廃棄物会計に積極的に取組んでもらいたいと考えています。

 それにしても増えつづけるペットボトル。何とビール用のペットボトルの開発まで進んでいて、商品化まであと一歩だそうです。もしこれが「売れる!」となれば・…想像したくない話です。ますます増えるに違いありません。ビール以外の飲料の話だそうですが、その売上の4割ほどが自動販売機によるものだそうです。自動販売機でもペットボトルが販売されるようになったのはそう遠くない話です。特に最近はホット用もあり、ペットボトル飲料の販売量はうなぎのぼり。もちろんそのかわりに缶飲料は減少しています。「便利なら、それでいいの?」という話です。これはおそらく「ゴミ問題」だけに関わらず、いろいろなところで私たちが問われていることかなとも思いますが。いずれにしても実態をどう市民に伝え、市民を動かすのかが大事だと思います。

 廃棄物会計のデータのことですが、実はお役人がものすごく欲しがっているデータだそうです。同じようなデータを官庁でも集めようとしたそうですが成功しなかったみたいです。市民のネットワークで集積したデータにお役人が魅力を感じているというのはとってもすごいことだと思います。その意味で私は市民の運動がゴミ行政に与えるインパクトの大きさを感じたのでした。こういう地道に活動を続ける市民たちには励まされます。

投稿者 hisaka : 2004年01月17日

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